おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

45シングルアンプ・完成

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45シングルアンプが完成した。45シングルアンプを製作するのは3台目で、最初に作ったのは2A3シングルアンプに改造してしまった。構想を考えたのは昨年(2016年)の10月で、半年あまりの中断の後に再開した。

 

カソードチョークドライブのシングルアンプはSV811-10AシングルアンプVT-62シングルアンプに続いて3台目だ。6DN7のカソードにチョークを入れて45のグリッド直結でA2級で振る。マイナス電源がいらないし、入力トランス方式に比べ大幅に安くできる。

 

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チョークコイル東栄のCH-3030Zを使った。30H30mAの仕様で、インダクタンスが特に大きくなくても問題ないことがわかった。

 

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45の動作点はEb=229V・Ip=34mA・Eg=-41VでOPTのインピーダンスは5KΩ。ロードラインを見るとわかるが、動作点(赤丸印)が左に偏っている。グリッド電流が流れるプラスまで振ることで出力を得ている。計算上の出力は3Wとなる。

 

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回路図を上記に示す。初段は2SK117で、6DN7 Section1のカスコードにより利得を稼いでいる。6DN7 Section 2のカソードチョークドライブで45を駆動している。OPTはアンディクス・オーディオのOPT-S14で、10KΩ:16Ωに8Ωの負荷を接続することで5KΩ:8Ωとしている。

 

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諸特性を上記に示す。周波数特性は10Hzでもほぼフラットになっている。出力は2.9Wだが1KHzでは3.1W出ている。

 

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NFBを6.5dBかけた時の周波数特性。高域の-3dB点は60KHzで、150KHzまでなだらかに落ちている。

 

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クロストーク特性。20Hz〜20KHzでは-68dB以下となっている。

 

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Lchの歪率特性。1KHzだけ最低歪率が低いのは初段と出力段で歪みの打ち消しが起きているのかもしれない。

 

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Rchの歪率特性。こちらは1KHzが特に低い傾向は見られない。

 

さて、いつものように完成した45シングルアンプの画像をご披露。ブログで音が聴けるわけではないが、アンプのいろんな角度からの写真でデザインを把握して欲しい。

 

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シャーシはダークグレーマイカメタリックで塗装した後に磨きをかけている。

 

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シャーシは株式会社奥澤のO-45でW300mm×D170mm×H50mm t1.5mm。自分で穴開けを行った後に塗装した。

 

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6DN7のヒーターはかなり明るいのだが、上から覗き込まないと見えない。

 

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6DN7は45よりすこしだけ電源トランスに合わせて前進している。

 

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後ろから。私はSPケーブルとの接続にはバナナを使うので専用端子となっている。

 
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OPTより45のほうがすこし背が高いので沈ませたほうが良かったかもしれない。

 

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いつものようにシャーシサイドにはアクリル板をボンドで貼り付けた。ゴム足がでかい。

 

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45のフィラメントの釣り構造がよくわかる。

 

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上から覗き込むと45の赤熱するフィラメントが見える。

 

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シャーシ内部。今回は配線完了後に修正が無かったためにスムーズに完成することができた。

 

駄耳の私での試聴結果は、低音も出ているし繊細な感じ。女性ボーカルに合うのでそういう曲ばかり聴いてしまう。

 

私より耳の良い!?妻の試聴結果。

・さわやかな、晴れやかなアンプ

・どっちかというとカラッとした音に聞こえる

・歯切れがいいよね

・天気で言うなら青空の晴れというイメージ

・低音部に広がりが欲しい(前回の6550 CSPPアンプと比べるのは酷…)