サンオーディオSV-VT25Limitedキット組立品の特性を調べてみた。もしSV-VT25Limitedをお持ちの方は気分が悪くなるようなことを書いてあるので読まないほうがよいかもしれない。
まず最初に諸特性から。利得はこの種のアンプとしては高め。DFは2.2と低いがVT-25のrpが高いことと3dB程度の局部帰還での値。残留ノイズは1mVを切っていれば実用十分と思われる。
周波数特性。かまぼこ特性で70kHzにディップ、125kHzにピークがある。オーバーオールNFBをかけるのなら位相補正が必要になるかもしれない。低域の低下をDFの低さでカバーしている感じ。
クロストーク特性。低域に向かってどんどんクロストークが悪化している。これは+Bのインピーダンスが高く、また電圧増幅段のデカップリングが左右共通であることが起因していると思われる。
整流管で音が変わると主張する人はこのような+B電源回路を使っているからかもしれない。でも私の駄耳では整流管が変わっても音の違いがわからないだろう。
Lchの歪率特性。3本が一致している(特に110Hz)のはOPTが出力15Wでコアサイズによる制約がないためだろう。歪率10%でようやく1Wといったところ。とはいっても2次歪み主体と思われるので歪んでいる感じはしないはず。サンオーディオのホームページにある1.3W+1.3Wは盛りすぎじゃないのかな?それとも私が使っているVT-25がそうなのだろうか。
Rchの歪率特性。こちらも同様な特性だった。
SV-VT25Limitedは聴いて回路やパーツを追い込んでいると思われるので、これで良いのだろう。ハムノイズや低域クロストーク悪化はマルチの高音システムに使えば無問題だし、実際そういう使われ方をしているのではないか。