おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

E130シングルアンプ・特性測定

E130シングルアンプ試作機の詳細な特性を測定した。その前に3dBのNFBではDFが2.3と低い気がしたのでNFB抵抗をボリュームに替えて値を探ったところ、6dBでは900Ωだった。そこで1kΩとしたところNFBは5.6dBとなった。DFは3.3〜3.5まで増えた。

 

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現状の回路を上記に示す。位相補正容量は入っていない。

 

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諸特性を上記に示す。

 

残留ノイズはLchのほうが多い。最初にE130のフィラメント電源にCRフィルタを1段追加したところ、残留ノイズに変化が無かった。残留リプルの影響は無いことが判明。

 

そこで6N1Pを抜いた状態での残留ノイズはLch 8.7mV、Rch 2.4mVだった。次に6N1Pを抜いた状態でカソードチョークを直接GNDに落としたところ、残留ノイズはLch 0.7mV、Rch 0.3mVとなった。E130を左右挿し替えても変化無し。このことから電源トランスの漏洩磁束がLchのOPTやカソードチョークにより多く誘導していると推測。

 

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周波数特性。NFBをかけてよりフラットになったが低域の低下がまだ起きている。位相補正は不要と判断した。

 

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クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは残留ノイズを測っているといっていいくらいで-66dB以下となった。低域の上昇も見られない。

 

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Lchの歪率特性。低域のレベル低下の影響を受けて110Hzが全般に高め。E130のrp(=4kΩ)が高く、OPT-S14のインダクタンス18.5Hではまだ不足している感じ。1kHzでの歪率5%における出力は3.7Wも出ていた。

 

グリッド電流が流れる出力の大きいところではエミッションが減少するのを恐れて短時間で測定を済ませた。だから歪率10%まで測定していない。だが測定後でもE130のプレート電流は落ち着いており、26.5mAと変わらなかったので大丈夫そう。

 

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Rchの歪率特性。Lchと同様で1kHzでの歪率5%における出力は4.1Wとなった。

 

Lch OPTやカソードチョークの誘導ハムはアンプを小さく作り直すとさらに電源トランスとの距離が縮まるので残留ノイズが増える可能性大。電源トランスにショートリングを巻いたら対策可能だが端子板から巻線を外すのが困難だったので断念した。SPに耳を近づけてもハムが聞こえないので、気にしないほうが良さそう。もしお金を出すのならPMC-150M、シャーシはO-40だな。

 

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6dBのNFBをかけて試聴しているが、エージングが進んだのか耳が慣れたのかわからないがクールでシャープな感じが薄れたように思う。繊細さは変わらないかな。あまり普通になってしまっても面白くないので、もっとNFB量を減らすのも良いかもしれない。