E130シングルアンプ試作機は、E130のIpがだんだん減ってきているのが気になる。もしそれがエミッション減少によるものだとすると短寿命になってしまう。今回はE130を軽い動作にするべく変更を行った。
具体的にはプレート損失を減らすようにする。カソード抵抗の値を増やすとプレートにかかる電圧が上がってしまい動作点が右下へ移動するしプレート損失はあまり減らない。そこで+Bを低くする。
整流管を6BY5GAから6AX5GTにしてみた。整流後の100Ωは削除した。設計での+Bは375Vから355Vへ20V低くなる。
変更後の回路図と実際の電圧を赤字で示す。プレート損失は10.0Wから8.4Wに減り、最大プレート損失12Wの83%から70%となる。実測では8.3W(69%)となった。
その他、NFBを5.6dBにしたらおとなしい感じになったのでR12を1kΩから1.5kΩに増やした。NFBは4.2dBとなった。
特性を上記に示す。DFは2.7〜2.8、出力は2.2〜2.3W。1kHzでの歪率5%での出力は3.0〜3.3W出ている。拙宅では十分な出力だ。
動作中の6AX5GT。6BY5GAに比べ細身なので周囲が空いているような印象を受ける。 これでしばらく聴いてみて、プレート電流がまだ減っていくようなら対策を考えよう。