E130シングルアンプ試作機で歪み打ち消し実験をやってみた。通常SRPP回路は下図に示すR2とR3を同じ値にする。
当初R3と並列にボリュームを入れてオーディオアナライザで歪率を見たところ殆ど変化が無かった。そこでイレギュラーかもしれないがR2を変化させたら歪率が変わることがわかった。R3の3.9kΩと並列に1kΩを接続したら0.1Wでの歪率がほぼ最低になった。
R3を3.9k//1k=796Ωとした時の電圧を赤字で示す。6N2Pの上側を真空管抵抗と考えると抵抗値が低くなり電流が増えている。6N2Pの下側はバイアスが深くなっている。
結果を上表で示す。0.1Wでの歪率は1/3程度になった。0.01Wでは残留ノイズのため殆ど変わらない。0.5Wでも1/2程度の改善が見られた。
副作用としては利得が低下することでNFB量が減り(NFBの抵抗値は変えていない)、DFが下がっている。DFが2.3〜2.4というのは、現状の回路で3dB程度のNFBをかけたのと同じ。
歪率が良くなったとしても聴いてわかるかといったらわからないし、副作用のほうが大きいので今回の実験結果はフィードバックしないことにする。NFBをかけない前提で歪率特性を良くするといったアプローチではアリだと思う。