届いた6P3Sが6本。結構大きくて、高さは袴の下からてっぺんまで90mmある。前回の構想はこちら。
出力の目標は15Wとして、ドライブ方法はどうしようか。まず必要なドライブ電圧を求めてみる。
OPTの変圧比は√(5000/8)=25:1
8Ω15Wの電圧は√(8*15)=10.95V
OPTの1次側では10.95*25=273.75V
出力管の利得を1.6とする(大体こんなもん)
273.75/1.6=171.1V
差動だから半分
171.1/2=85.5Vrms
波高値では 85.5*2.83=242Vp-p
ということで、ドライブ電圧は242Vp-p必要と出た。
ドライブ回路はFET-3極管カスコード差動だとドライブ電圧を確保するのが難しい。ブートストラップは音色が気に入るかどうか。OPアンプで3極管をドライブする回路(CasComp応用回路)はOPアンプを使うのが嫌。それならプレートチョークドライブはどうだろう?
プレートチョークドライブはドライブ電圧が大きく取れる反面、チョークの置き場所が必要。手持ちに染谷電子のKL10-05があるので使ってみようかな。
プレートチョークのインピーダンス特性。並列に次段のグリッド抵抗を接続することで特性が変わる。6550 CSPP試作機では47kΩとしたが、ドライブ電圧は242Vp-pの1割増し程度あれば良いのでもっと低くしたい。なぜかというと10kHzでのレベル落ちが気になるから。これが10kHzでの歪率悪化に影響してくる。33kΩとして合成インピーダンス30.4kΩでやってみる。
ドライブ管を6N23Pとして30.4kΩのロードラインを引いてみた。6N23Pの特性図はロードラインが引きにくいのでECC88のを使った。回路は6550 CSPP試作機のものを殆どそのまま使用。動作点はEb=261.7V、Ip=5.6mA、Eg=-9.4Vとしたが、試作機での実測値に合わせている。
ドライブ電圧を計算してみると341Vp-pが得られた。これなら十分242Vp-pをクリアする。グリッド抵抗をもっと低くできそうだが、とりあえず33kΩで設計する。
アンプ部の暫定回路を上記に示す。3段アンプの構成とした。プレートチョークはDCバランス調整が必須なので、出力段も同様にDCバランス調整とした。2個調整するのも4個調整するのも殆ど同じだから。
6P3Sの特性図に設計での電圧を合わせ込んでロードラインを引き直した。計算上の出力は(275-75)*0.16/2=16Wとなった。