どうもFG-120Fが弾きにくいのはナット部での弦間ピッチが狭いことにあるようだ。 ヤフオクで入手した安価なアコギだし、自分でナットを交換すれば弾きやすくなるのではないかと考えた。
市販のナットを検索してみたら、溝有りのものが見つかった。FG-120Fはレフティなので、ナット溝もレフティ専用となる。
色付きのものがFG-120Fのナット寸法で、一番近いGRAPH TECKのPQ-1728-L0を注文した。長さが0.1mm足らないが誤差の範囲だし、高さを削ればOKとなる可能性が高い。E to Eは1弦〜6弦の間隔で、交換すればFG-120Fは34.5mmだから35.7mmまで1.2mm広がるわけ。
ナットは1週間くらいで入手できた。これはTUSQ(タスク)で人工象牙と言われているようだ。
早速作業に入ることにする。弦を緩めてナットを固定している瞬間接着剤のようなものに剥離液を塗った。
ナットに当て木(画像下)をしてカナヅチで叩いたら取れた。ナットが割れるかもと思ったが大丈夫だった。
新しいナットのほうの高さが1mm程度高いので削る必要がある。溝の深さの兼ね合いもあり、削っては嵌めてみて弦を張り弦高を確認する。
棒ヤスリにナットを両手で持って削った。時々ひっくり返して偏らないようにする。ナットの上部が斜めにカットされており、注意しないと垂直でなく傾いて削れてしまう。
画像が前後するが、外したところに残った接着剤をヤスリで削ってきれいにしておく。
厚紙を入れてみて、ナットの交換前と同じくらいの高さにする。3フレットを押さえて1フレット上の弦にわずかにすき間が空いていればOK。指で叩くとすき間があれば音がする。くっついてしまったら開放弦でビビるので、また新しいナットで作業しなければならない。
丁度よい高さまで削れたので、瞬間接着剤を数カ所つけてナットを固定した。後々交換することがあった時に外しやすいようにする。
弦を交換するついでにフレットをコンパウンドで磨く。
ナット交換と弦交換が完了。開放弦でのビビリはなかった。12フレットの弦高は6弦約2.8mm、1弦約2.2mm。ショップのリペアマンにネックは真っ直ぐだと言われたのでサドルをギリギリまで削って低くしてある。おそらくネックが起きているか、トップが膨らんでいるかしているんだね。トラスロッドを調整してみたいがYAMAHAの古いアコギは専用工具を入手しないとできない。
初めてやった割には問題なく作業できた。ナット溝を自分で切るには工具が必要になるし敷居が高い。弾いてみた感想は、ナット部での弦間ピッチが広がり特にB7が押さえやすくなった。ナットはジュラコン(たぶん)からタスクに変わったわけだけど、音色や音量、サスティーンには特に違った印象は見られない。気づかないだけかもしれないけど。ただサウンドホール分での弦間ピッチはヤマハ特有の狭いままなので、アルペジオでは注意しないと隣の弦を引っ掛けてしまう。