おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

ミニワッターシングルアンプの製作例(6台)

miniwatter_single_amp.jpg 今回は拙ブログにあるミニワッターについて製作例をリストアップしてみた。ミニワッターといっても数百mWのものや2W以上あるものは除外し、以下に掲げる6台についてその特徴などを記した。

 

(1) 6DJ8パラシングルアンプ 6DJ8_parasingle_amp.jpg 6DJ8系のタマを出力管とし、管内の2ユニットをパラレルにしたミニワッターは2台ある。一方は染谷電子のOPTを使っており、もう一方は春日無線のものを使っている。こちらは春日無線のOPTでの例作例となる。

 

6DJ8はgmが高く、頭の良い人はパラレルにしたら発振すると考えて絶対にやらないはず。でも私が製作したところでは発振しなかった。ただレイアウト的に工夫してあるので、そのへんを何も考えずに製作したら発振するかもしれない。いずれにしても測定器が無い状況でこのアンプを製作するのは難しいと思う。

 

6DJ8_para_single_schematic.gif 回路は初段がFET、Trのエミッタフォロアで6DJ8のグリッドを直結している。出力は0.8W。デザイン的にチョークコイルを置いたほうがまとまりが良いので本当は無くても問題ないがあえて使っている。

 

6DJ8の2ユニットをプッシュプルで使った差動アンプのほうが有名だが、私のリスニング環境ではパラシングルでも全く不満を感じない。

製作過程はこちら

 

(2) PCL83シングルアンプ PCL83_single_amp.jpg PCL83はテレビの垂直発振出力管。1つの管に電圧増幅3極管と電力増幅5極管の2ユニットが入っている。

 

PCL83_single_schematic.gif 回路は電圧増幅段にFET-Trカスコード、PCL83の3極部によるカソードフォロアでPCL83の5極部のグリッドを直結ドライブする。5極部は3結にした。出力は1.1W。 ケースはLEADのEX-2004で、トランスの角穴を開けるのは大変だから別のケースをお勧めする。OPTは東栄のT1200-Rで、カバー付きを黒で塗装した。

製作過程はこちら

 

(3) 6N6Pパラシングルアンプ 6N6P_para_single_amp.jpg ロシア球6N6Pの2ユニットをパラで使ったシングルアンプ。ミニワッターの初期の頃の作品。詳細をまとめ記事にした。

 

6N6P_para_single_schematic.gif 初段は6922をSRPPで、出力段は6N6Pをパラにして直結している。出力は0.9W。 アンプ部に半導体を使ってないので、真空管じゃなきゃ嫌という人には良いのではなかろうか。

製作過程はこちら

 

(4) 6DE7シングルアンプ 6DE7_single_amp.jpg 6DE7はテレビの垂直発振出力管。1つの管に電圧増幅3極管と電力増幅3極管の2ユニットが入っている。

 

6DE7_single_amp_schematic.gif 回路は電圧増幅段にFET-Trカスコード、6DE7の第1ユニットのカソードフォロアで第2ユニットを直結ドライブする。出力は1.1W。無帰還での聴感を大切にしてNFBは軽く3dBに留めている。 6DE7と同特性の9ピンMT管に6EW7がある。外観は6DE7に比べ管が太いのが特徴。

製作過程はこちら

 

(5) 4P1Lシングルアンプ 4P1L_single_amp2.jpg ロシアの直熱5極管4P1Lを使ったシングルアンプ。4P1Lは安価だし気に入ったのでDEPP、CSPP、パラシングルの4台を製作している。

 

4P1L_single_schematic.gif 回路は電圧増幅にFET-Trカスコード、Trのエミッタフォロアで4P1Lのグリッドを直結ドライブする。4P1Lは3結とした。フィラメントを3端子レギュレータで点火している。4P1Lを軽く使って出力は1.5W。 音色やデザインは十分に満足できるもので、これ以上のシングルアンプは作れそうにない。

製作過程はこちら

 

(6) 6FJ7シングルアンプ(譲渡済み) 6FJ7_single_amp.jpg 6FJ7はテレビの垂直発振出力管でコンパクトロンの12ピン。1つの管に電圧増幅3極管と電力増幅3極管が入っている。同特性にGT管の6DN7がある。

 

6FJ7_single_schematic.gif 回路は電圧増幅にFETと6FJ7の第1ユニットによるカスコードでこのアンプのみカップリングコンデンサを介して6FJ7の第2ユニットをドライブする。出力は1.7W。

製作過程はこちら

 

こうして並べてみるとテレビ球を使ったアンプは6台中3台。特に6DE7シングルアンプは特性があまり良くないのだが、とても自分好みの音色を奏でるので気に入っている。4P1Lシングルアンプはこの中で唯一直熱管を使ったアンプだ。

 

テレビ球だから云々とか、直熱管だから傍熱管より音が良いなんてことは私が製作するアンプでは無いといっていい。