今回は電源回路のディメンジョンをフィックスするため、300Bのフィラメント電源や+B電源の実験を行った。
フィラメント電源の回路図。
バラックを組んで実験中。抵抗0.51Ωを0.28Ωにしたところフィラメント電圧5.0Vで点火できた。ところが残留リプルが5mVもある。これはLDOのドロップアウト電圧を確保できないためだ。
0.28Ω両端の電圧は0.423Vだった。300Bのフィラメント電流は0.423/0.28=1.51Aとなる。データシートでは1.2Aだから、エミッションを確保するために多めに電流を流しているのかもしれない。
下駄を履かせたダイオードUF2010と抵抗0.28Ωをそれぞれショート。下駄を履かせなくても点火できることがわかった。フィラメント電圧は4.97Vだった。でもやはり残留リプルが5mV程度あった。そこで10000μFに4700μFを並列にし14700μFにしたら残留リプルを1.6mVまで減らすことができた。
ふと思って平滑回路にコモンモードチョークを入れてみた。
フィラメント電圧は4.98Vになった。残留リプルは0.14mVに減少。コモンモードチョークでダイオードのスイッチングノイズが減ったのだろうか。
3端子レギュレータの入力波形。0.8Vp-pのリプルがある。
コモンモードチョークを入れたフィラメント電源の回路図。そんなに回路的に複雑じゃないしこれでいこうかと思っている。 続いて+B電源回路の実験。
トランスの250Vタップと26Vタップの直列で120mA流した時のLCフィルタ後の電圧が何Vになるのかを確認する。
実験風景。AC100Vが100.8Vの時の電圧は362.1VだったのでAC100V換算では359.2Vとなる。
LTspiceでのシミュレーション値を実測データで合わせ込んだ。R2が33kΩ→39kΩでのVOUTは341.6Vとなった。
シミュレーション結果。NODE2とNODE3は最低13Vあるので、AC100Vが変動してもVOUTにリプルは現れない。