おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

5A6シングルアンプ・残留ノイズ解析〜詳細な特性測定

5A6シングルアンプのLchの残留ノイズが0.7mVと多いので解析した。

 

NFB入力の配線をSP端子からOPTに変更したが変わらず。原因はアンプ部のGND配線の取り回しと考えて試行錯誤する。結果は6Vの電解コンデンサのGNDのところからGND母線につなぐと残留ノイズが0.5mV程度になった。シールド線の取り回しをいじって残留ノイズが最小となるようにしたら0.4mV程度まで減少。

 

GNDはループを作らないのが基本だが、輪っかが閉じていなくてもノイズが乗ることがあるので、その面積を減らすのが肝要だ。

 

5A6_single_schematic6.gif

残留ノイズが多いのは+Bのリプルの影響と考えて回路を変更した。C7とC8を47uFから100uFへ、C9を47uFから100uFに変更。+Bが高くなるのでR11を82kΩから100kΩに変更。これでLch 0.3mV、Rch 0.15mV程度まで減少。

 

NFB抵抗を2kΩに仮決定、NFBをかけた時の残留ノイズはLch 0.11mV、Rch 0.08mV程度になった。これで残留ノイズ問題は解決と判断。

 

5A6_single_inside10.jpg シャーシ内部はこんなふうになった。

 

5A6_single_caracteristic2.gif 詳細な特性を測定。周波数特性の高域はT-1200によるもので伸びない。出力は1.1W出ていることがわかった。NFB量は6.5dB〜6.7dBとなった。DFは5.7あるのでまあ十分だろう。

 

5A6_single_freq2.gif 周波数特性。

 

5A6_single_freq3.jpg Analog Discoveryによる周波数特性。

 

5A6_single_crosstalk1.gif クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは-69dB以下となっている。

 

5A6_single_distortion_Lch1.gif Lchの歪率特性。小出力での110Hzカーブが変だがおおむね各周波数でカーブが揃っている。

 

5A6_single_distortion_Rch1.gif Rchの歪率特性。ボリュームMaxで残留ノイズが多くなるため小出力で歪率の悪化が見られる。

 

5A6_single_oscilloscope.gif (10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)

SP端子に0.047μF〜0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみる。オフでリンギングが見られるが発振の兆候は見られず安定していた。

 

特性においては問題なしと判断する。

 

5A6_single_outside5.jpg 3階自室にて試聴する。雑味がなくクリアで心地よい。意外と低音にボリュームがありスケール感がある。これはT-1200によるものだろうか。なんかもう71Aや45といった古典管に頼らなくても5A6や4P1Lで十分な気がしてきた。