拙71Aシングルアンプに変換ソケットを使って5A6を挿して聴いてみたら印象が良かったので、5A6シングルアンプとして仕立てることにした。
なるべく手持ちのパーツを使って手軽に製作するつもりだったのだが、流用した電源トランスの唸りが大きく、新たに電源トランスを購入して完成に至った。
回路図を上記に示す。基本的には71Aミニワッターを踏襲しており電圧増幅段にエミッタフォロアを追加した回路となっている。フィラメント電源にはSBDで整流し3端子レギュレータによる安定化電源を採用。SBDは通常のダイオードブリッジでも問題ない。
諸特性を上記に示す。初段に2SK117を使ったため利得が19倍と多くなっている。NFBは6.5〜6.7dBかけている。出力は1.1W。
周波数特性。高域が早く低下するかまぼこ特性だが安定している。
クロストーク特性。20Hz〜20kHzでは-69dB以下となっている。
Rchの歪率特性。ボリュームMaxで残留ノイズが多くなるため小出力で歪率の悪化が見られる。
(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)
SP端子に0.047μF〜0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみる。オフでリンギングが見られるが発振の兆候は見られず安定している。
シャーシには既成のミニワッターシャーシを使った。文字入れはプリンタで印刷したラベルシールを貼り付けた。
シャーシは使い回しのため、開いていた穴にネジを使って塞いである。
これは製作途中のカバーなし画像。電源トランスは交換前のもの。
シャーシ後面。8Ωに加え4Ω端子を備える。
シャーシ内部。電源部の平ラグには+B電源とフィラメント電源が載っている。
逆から見たシャーシ内部。アンプ部は20Pの平ラグに2チャンネル分をゆったり組んでいる。
駄耳の私による試聴結果。雑味がなくクリアで心地よい。意外と低音にボリュームがありスケール感がある。これはT-1200によるものだろうか。
わざわざ希少な71Aを使わなくても安価に直熱管サウンドを味わえるのは良いと思う。出力は1Wなのでニアフィールドリスニングに適する。