12Aは1本ノイズが多く(試聴には全く差し支えない)、代わりに112Aを挿してみたら残留ノイズや利得に問題ないことが判明。そこで112Aを使って特性を測定することにした。
無帰還での諸特性を測定。利得は40倍と多めだが左右チャンネルで揃っている。残留ノイズは0.2mVと低い。
Analog Discoveryによる周波数特性グラフ。100kHz以上の高域に乱れはあるが、かまぼこ特性で両チャンネルで良く揃っている。 NFBをかけてみることにし、6dBとなる値を探ったところ2.2kΩだったのでこの値に決定。
現状の回路図を上記に示す。実測の電圧を赤字で記入。
再び諸特性を測定。利得は20倍となった。DFは4.4〜4.8と実用十分。残留ノイズは0.12mVと低くなった。
LchのNFB有り無しの周波数特性。かまぼこ特性だが20Hz〜20kHzをぎりぎりキープ。
クロストーク特性。低高域で悪化が殆ど見られない。20Hz〜20kHzでは-73dB以下。
Lchの歪率特性。各周波数でバラけているが同じカーブを描いている。1kHzでの歪率5%の出力は0.5Wだった。設計での計算値は340mWだったから予想より大きい。
Rchの歪率特性。こちらも同様。1kHzでの歪率5%の出力は0.5Wだった。
[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力1Vp-p、50mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]
SP端子に0.047μF〜0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが発振の兆候は見られず安定していた。
特性を見る限りにおいては問題は見られない。
112Aで試聴する。常用している音量より大きく出るから出力には余裕がある。駄耳での評価だが12Aと差は感じられず雑味が無くて透明感ある音色。出力を除けば71Aシングルアンプと遜色ない。というか、私には聴き分けできない。ただ71Aより112Aのほうが高域が繊細という印象。タマの頭を触っても温かい程度なので、夏の暑い時期でも気にせず使用可能だ。