おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

12Aシングルアンプ・112Aシングルアンプへ〜特性測定

112A_1.jpg

12Aは1本ノイズが多く(試聴には全く差し支えない)、代わりに112Aを挿してみたら残留ノイズや利得に問題ないことが判明。そこで112Aを使って特性を測定することにした。

 

112A_single_characteristic1.gif 無帰還での諸特性を測定。利得は40倍と多めだが左右チャンネルで揃っている。残留ノイズは0.2mVと低い。

 

112A_single_freq1.jpg Analog Discoveryによる周波数特性グラフ。100kHz以上の高域に乱れはあるが、かまぼこ特性で両チャンネルで良く揃っている。 NFBをかけてみることにし、6dBとなる値を探ったところ2.2kΩだったのでこの値に決定。

 

12A_single_schematic2.gif

現状の回路図を上記に示す。実測の電圧を赤字で記入。

 

112A_single_characteristic2.gif 再び諸特性を測定。利得は20倍となった。DFは4.4〜4.8と実用十分。残留ノイズは0.12mVと低くなった。

 

112A_single_freq2.jpg NFB後の周波数特性。

 

112A_single_freq3.jpg LchのNFB有り無しの周波数特性。かまぼこ特性だが20Hz〜20kHzをぎりぎりキープ。

 

112A_single_freq4.jpg RchのNFB有り無しの周波数特性。こちらも同様。

 

112A_single_crosstalk1.gif クロストーク特性。低高域で悪化が殆ど見られない。20Hz〜20kHzでは-73dB以下。

 

112A_single_distortion_Lch1.gif Lchの歪率特性。各周波数でバラけているが同じカーブを描いている。1kHzでの歪率5%の出力は0.5Wだった。設計での計算値は340mWだったから予想より大きい。

 

112A_single_distortion_Rch1.gif Rchの歪率特性。こちらも同様。1kHzでの歪率5%の出力は0.5Wだった。

 

112A_single_oscilloscope.gif [10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力1Vp-p、50mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]

SP端子に0.047μF〜0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが発振の兆候は見られず安定していた。

 

特性を見る限りにおいては問題は見られない。

 

112A_single_outside1.jpg 112Aで試聴する。常用している音量より大きく出るから出力には余裕がある。駄耳での評価だが12Aと差は感じられず雑味が無くて透明感ある音色。出力を除けば71Aシングルアンプと遜色ない。というか、私には聴き分けできない。ただ71Aより112Aのほうが高域が繊細という印象。タマの頭を触っても温かい程度なので、夏の暑い時期でも気にせず使用可能だ。