次期真空管アンプには89Yを使ったものにしようかとボチボチ考えている。89Yはトリプルグリッドの傍熱出力管で、各グリッドの接続の仕方によりA1級(Triode・Pentode)、B級(Triode)のアプリケーションが可能だ。
当初は89Y(電圧増幅)〜89Y(カソードフォロア)〜89Y(A1級Triode)にしようかなどと考えていたのだが、データシートをよく見てみると電圧増幅用には適さないことがわかってきた。また、89Yのカソードフォロアに何mAのプレート電流を流したらよいのかわからない。
A1級Triodeの出力は0.9Wで、それをカソードフォロアでA2級としたところであまり出力を増やせるとは思えない。それよりパラシングルとしたほうが出力が倍取れるので良いのではないか。
紆余曲折あったが電圧増幅段をカスコードエミッタフォロアで89Yの第1グリッドをダイレクトにドライブすれば良さそうと思った。結局いつものパターンになってしまった。それでも89Yを4本使うのだから、ある程度は見栄えがするのではないだろうか
とりあえず89の3結のEp-Ip特性カーブ(高間氏のデータ集より画像引用)にロードラインを引いてみた。OPTの1次インピーダンスを5kΩとすると、パラシングルのロードラインは10kΩで引く。動作点はEb=235V、Ip=20mA、Eg=-40Vとした。軽いA2級の動作だからせいぜい出力は2W出れば良いくらいかな。
電源トランスは+Bタップが280Vくらい、電流は100mA程度。ゼネラルトランスのPMC-100Mがマッチする。
OPTは1次インピーダンスが5kΩで出力容量は5Wくらい。アンディクス・オーディオのOPT-S14が1次10kΩで、2次16Ωタップに8Ωをつなげば1次が5kΩになる。
出力のわりにトランス類が大げさのような気がする。音は聴いてみないとわからないし、さてどうしたものか。