42プッシュプルアンプの出力段のカソードバイパスコンデンサを取っ払い、共通カソードとして差動回路にしてみた。
カソードバイパスコンデンサを外してカソード抵抗750Ωを並列にした。
回路図を上記に示す。赤で示したところが変更部分。C3は高域でDEPPもどきとなるようなコンデンサで、音色のスパイスとなっている。R15とR16でDCバランスを調整する。
諸特性を測定。歪率5%での出力は5.5W~5.6Wで、DEPPより1W程度低くなった。利得は変わらなかった。
Analog Discoveryで周波数特性を測定。DEPPと変わらず。
クロストーク特性。Rchの残留ノイズが低くなったせいでL→RとR→Lで差が生じているが、基本的には変わらなかった。
Lchの歪率特性。1kHzが低歪みになったほか、10kHzが変なカーブを描いている。出力が大きい領域ではなぜか10kHzのほうが低歪み。
Rchの歪率特性。こちらも出力が大きい領域ではなぜか10kHzのほうが低歪み。
再び試聴する。奥行きの表現や定位感が良くなったように思うのは気のせいか。鳴らし始めは低音ばかり出て中高音が冴えないが、30分もすると本領発揮のようでクリアになってきた。肝心の女性ボーカルの艶やかさが後退したみたい。DEPPに戻してみないとわからないけど。
ずっと聴いていたら音色の印象が変わってきて、5W出る拙E88CCプッシュプルアンプみたいな感じ。これはこれで良いのではないかと思うようになった。