試聴を続けている42プッシュプルアンプ試作機なのだが、音がつまらなくならない範囲でもう少し深くNFBをかけてみようと思う。現状は6dBだが8dBくらいにしてみたい。
裸利得は50倍(34dB)だから、NFBを8dBかけると20倍(26dB)となる。NFB抵抗の代わりにボリュームを接続し利得が20倍となる値を探ったら3.3kΩとなった。また、高域のピークがフラットとなるように150pFの位相補正容量を入れた。
回路図を上記に示す。R23を5.1kΩから3.3kΩに、C9を100pFから150pFに変更した。
諸特性を測定。総合利得は20倍(26dB)、DFは2.9から3.7まで増えた。高域の-3dB点は174kHz~178kHzだった。1kHzでの歪率5%の出力は5.5W~5.6Wで変わらなかった。
Analog Discoveryでの周波数特性。
クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-73dB以下となった。
Lchの歪率特性。カーブは変わらず、少し下へシフト。
Rchの歪率特性。Lch同様の結果となった。4本の42を入れ替えて低歪みにすることは可能だろう。
(2022.02.17追記)
なんで10kHzのほうが出力が出るのだろうと思っていたのだけど、42のカソードバイパスコンデンサ0.1μFが10kHzで159ΩになるのでDEPPの動作となるからなんだね。もっと減らして差動アンプの動作にしたほうが良いだろう。
(追記ここまで)
3階自室にて試聴する。NFBが6dBの時と変わらないが、低域がすこし締まったかな。音場の表現の良さや定位の良さは差動アンプの特徴だし、女性ボーカルも艷やかで良い。
42シングルアンプ(3結)の中高音のクリアさに低音のボリュームが増した感じ。
これで試作機としては完成かな。