今回製作した実験機。トランスのAC100Vがむき出しだったりしているが、あくまで実験機なのでご了承を。
試聴での印象はさわやかな音で、「独特な艶っぽい音」「欧州系のこってりした音」という印象は無い。やはり個人の受ける印象は自分とは異なることがわかった。
比較用にCV4055シングルアンプ2号機。
実験機の低音が出る感じがするのは、おそらく低音でKNFが減少してDFが低くなっているためだと思う。2号機のほうは締まった低音だ。実験機はサンオーディオのSV-VT25 Limitedと共通の音色が感じられる。あくまで記憶の中の音なのだが、SV-VT25もVT-25にPG帰還がかかっているところが同じ。
2号機はカソードバイパスコンデンサが+Bに接続されており、この回路の音色が出ているようだ。あくまで繊細でクリアなのに対し、実験機はそこまでは表現されない。
どっちが好きかと言われたら2号機と答える。でも2号機はCV4055のカソードに定電流回路が入っているし、定電流回路の最低動作電圧を確保するためにグリッドにプラスの電圧をかけているし、ずいぶんと凝った回路になっている。
今回での音色の印象が異なった原因として、パーツの違いがあるのではないか。私の場合、CRには産業用の汎用品を用いているし、それで音色のチューニングをしないから。