おんにょの真空管オーディオ

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主に真空管を使用した自作アンプでの試行錯誤を公開しています。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

8B8プッシュプルアンプ・SYLVANIAの8B8を挿してみる

とある方から8B8を20本も頂いた。どうもありがとうございます。これを使って新たにアンプを製作しようと考えたのだが、その前に8B8プッシュプルアンプに挿したらどうなるのか、確認してみた。ヒーターハムがどの程度出るのか知りたかったということもある。

8本だけ試してみることにし、テキトウに挿してみたところ、残留ノイズは0.17mV~0.7mV位(正確な値を失念)になった。残留ノイズが低くなる組み合わせが多く、三菱の8B8に比べてヒーターハムが低いという印象だった。

ところがDCバランスを調整中に右端の1本を赤熱させてしまった。DCバランスがどんどん崩れ、それを調整していたら片側の8B8に電流が集中した。グリッド電圧を測ってみるとだんだんバイアスが浅くなってくる。

右端の1本のみに発生するため当初はカップリングコンデンサの絶縁不良を疑ったが、メガーでの測定では800MΩ以上あった。ヒートアップ当初はDCバランスが取れているが、8B8が高温になるにつれDCバランスが崩れること、グリッドバイアスが浅くなってくることからグリッド電流による熱暴走と推定。

結局8本中3本に熱暴走の傾向があることが判明。DCバランスが取れて安定している4本のプレート損失は5.4W~5.5Wで、最大定格7Wの77%~78%で余裕があるはずなのだが、実際は厳しいようだ。三菱の8B8ではこんなことが起きなかったので油断した。

ちなみに動作中の8B8を放射温度計で測ってみたら最高温度は130℃から160℃くらい。かなり高温だと思われることからプレート電流を絞るほうが良いと思う。

ペアとして組み合わせた4本での残留ノイズは両チャンネルとも0.17mV程度で低く、SYLVANIAの8B8はヒーターハムを引きにくいのではないか。

 

SYLVANIAの8B8で試聴中。スッキリとした音で透明感があり、低音は馬力がある。定位の良さと女性ボーカルに艶が乗ってまるでシングルアンプを聴いているみたい。ただ低音の出方がプッシュプルだから違うと感じる。

 

やっぱりプレート電流を減らしたほうが安心できる。共通カソード抵抗R11 246Ω(270//2.7k)を270Ωにしようと、オーディオアナライザが1kHzの歪率5%を示す出力で2.7kΩをオンオフしてみたところ、全く針が動かなかったので出力の低下は無いと考えられる。

結局2.7kΩを外してカソード抵抗を270Ωにした。変更後のプレート損失を調べたところ4.9W~5.0Wとなり、最大プレート損失の70%~72%となった。変更前は77%~78%だったので、さらに余裕があるレベルになった。

これなら三菱からSYLVANIAの8B8に差し替えても問題は起こらないだろう。

カソード抵抗270Ωで、テストした8本全てにおいて熱暴走しないことを確認。但し長時間テストしたわけではないので、条件によっては熱暴走するかもしれない。

 

変更した回路図を上記に示す。