おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

8B8 CSPPアンプ・詳細な特性測定

8B8 CSPPアンプにNFBをかけてみることにした。実験機ではNFB量を8dB~10.5dBの間に設定すれば良いという感触を得たので、NFB抵抗を1.6kΩとしてみた。高域にピークが生じない位相補正容量を探ったら180pFとなった。

 

回路図を上記に示す。

 

詳細な特性を測定。NFB量は9.1dB~9.3dBとなった。高域-3dB点は162kHz~165kHz。利得は15.6倍と拙宅では使いやすい値になった。出力は6.0W。実験機では7.1Wだったが、電力にして0.73dBの差でしかない。DFは11.1と真空管アンプでは十分な値。残留ノイズは0.08mVと低い。

 

Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。1MHzまで素直に落ちており優秀な特性。

 

Rchの周波数特性。こちらも素直に減衰している。

 

現状での周波数特性を両チャンネル分並べてみた。周波数特性と位相特性が綺麗に揃っている。位相特性が左右チャンネルで違うと定位感に問題が出るようだ。

 

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-78dB以下となった。

 

Lchの歪率特性。10kHzがわずかに他の周波数カーブと異なるが、ほぼ同じと言って良い。5%歪みでの出力は6.0Wだった。

 

Rchの歪率特性。こちらのほうが良く揃っている。5%歪みでの出力は6.0Wだった。

8B8を厳しく選別すればLchも揃うと思うが、8B8って元々テレビ球だからね。そこまでする必要はないだろう。

 

https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/o/onnyo01/20221020/20221020222031_original.gif

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが発振には至らなかった。(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力4Vp-p、200mV/div[プローブ10:1]、20μS/div)

特性を測定した結果は、特に問題なし。

 

3階の自室で試聴する。NFB量を決め打ちでやってしまったが、試聴では音質十分と感じる。女性ボーカルは滑らかだし、低音に量感がある。

 

以前、上條さんがCSPPは一部の人のものであって欲しいみたいなことを書かれていたと記憶しているのだけど、私みたいな理論のろくすっぽわからない人が製作しちゃっていいものなのかねえ。特性が良くてしかも音色も良い(好みの)CSPPアンプって、一部の真空管アンプ製作マニアがやっているだけだし、そういうアンプの音を聴ける人ってそう多くないと思う。