71Aシングルアンプ3号機の配線チェックをする。パーツのリードからリードまで、テスターで接続を確認したら回路図にマーキングする。電源部は動作を確認しているので、主にアンプ部を念入りに行う。マーキングが全て完了したら、電解コンデンサの向きを確認しておく。半導体は平ラグ作成時に接続チェック済。
2SK117BLのソースに入っている半固定抵抗(VR1)はテスターで57Ωに調整する。これは事前にLTspiceでシミュレーションして得られた値。この値より大きいと71AのグリッドDC電圧が高くなり、動作確認でプレート電流が流れすぎてしまう。
71Aを挿して電源オン、カソード電圧をテスターで監視する。大体111V付近になればOKだ。素早く各部の電圧をチェックして回路図と大差ないことを確認する。問題なければカソード電圧を111Vに調整する。これはAC100Vの変動でも変わるので大体で良い。
SP端子にテスター(DMM)をACレンジにして接続、RCA端子に指を触れて電圧が上昇するのを確認。今回も動作一発OKだ。もしプレート電圧が測れなかったり、RCA端子に触れなくてもSP端子の電圧が大きい場合、発振していることがある。
測定器をつないで簡単に特性を確認する。Lchの残留ノイズが多く、利得もRchに対し8割程度しかない。どうやら71Aがお疲れのようで、手持ちの1本と交換した。
回路図に赤字で実測の電圧を記入した。
NFB抵抗を仮接続して利得が下がるか確認。オシロをSP端子に接続し、SP端子に10kHz・2Vp-pの矩形波が出るようにして、ダミーロードをオフの状態で0.047μFをつないだら発振したので、ゾベル素子(0.1μFと10Ωの直列)を接続したら0.047μF~0.47μFで発振しなくなった。
簡単に特性を測定。利得は25.4倍で左右が一致。残留ノイズは0.1mV~0.2mVで、真空管を左右差し替えると値が逆転するので71A依存であることがわかった。周波数特性はかまぼこ。DFは無帰還で2.1~2.2あった。
Analog Discoveryで周波数特性を測定。位相特性を含め、両チャンネルが揃っている。位相特性が左右で揃っていないと定位に問題が出るようだ。高域の凸凹はOPTのT-1200の特徴。
簡単に特性を調べた限りにおいては問題なさそう。今後NFBをかけてみて詳細な特性を測定する予定。