配線チェック後に+Bへダミーロードを接続して電源オン、+B電圧を確認する。これは+B電源基板を変更しているため、真空管を挿さずに電圧が正常かどうかを事前に知っておきたかったから。8.7kΩのダミーロードで+Bが349Vとなった。AC100V換算で345Vとなり、設計どおりの電圧が出た。
次に真空管を挿して電源オン、カソード電圧を監視する。急いで100Vに調整。各部の電圧を確認し設計と大差ないことを確認。
回路に実測の電圧を記入した。プレート電圧がすこし高いのはチョークの直流抵抗が750Ω程度のためか。
大丈夫そうなので特性を測定。1kHzの歪率5%における出力は1.5W~1.6W。これは設計どおり。意外だったのはNFBが9dB以上かかってしまっていること。38の3結のμって高いのだ。rpも高いためDFが3.2~3.3しかない。
Analog Discoveryによる周波数特性。位相補正容量C7を入れていないが高域にピークはない。
クロストーク特性。6Z-P1シングルアンプでも同様だったので、曲線はレイアウト起因。20Hz~20kHzでは-68dB以下となった。
Lchの歪率特性。各周波数で揃っているが、2次歪み主体でカーブが直線的。
Rchの歪率特性。Lchと同様だった。
特性を測定したかぎりでは問題ないことを確認。
(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが、リンギングはあるものの安定している。
3階の自室で試聴。利得が13倍前後なのに音量が上がって聴こえる。音色は穏やかな印象。女性ボーカルがすこしハスキーに感じるが、囁きが生々しい。定位が良くて奥行きもよく再生される。9.3~9.4dBと多めにNFBがかかっているのだが、音の鮮度が失われることはない。
38って決して注目されないけど、出力が小さくてもよければ良いタマだと思う。
(2023.03.11追記)
先日完成した89Yシングルアンプとの違いは、38シングルアンプのほうが幾分落ち着いた音のように感じる。駄耳の私だから、違いを聴き分けできていないかもしれない。
(追記ここまで)