おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6B4Gシングルアンプ・回路図作成

6B4Gシングルアンプの回路図を作成した。電圧増幅段はFET-Trカスコード、Trのエミッタフォロアで6B4Gのグリッドをダイレクトにドライブする軽いA2級だ。

はじめに2A3(=6B4G)のEp-Ip特性図に2.5kΩのロードラインを引いた。グリッドを+5Vまでドライブできるとした。この値はテキトウ。動作点はEb=225V、Ip=57mA、Eg=-38Vとした。電圧は低めで電流が多い設定。

出力を計算すると、57^2*2.5/2000=4.06W。

電圧増幅段はLTspiceでシミュレーションした。6B4GのグリッドDC電圧は、カットオフを-100Vとすると10Vのマージンを見込んで72V(=100-38+10)とした。

 

作成した回路図を上記に示す。NJM317Fの定電流の設定はVref=1.25Vとして1.25/22=56.8mA。定電流回路は20Vの電位差で動作するように設定した。

電源部のシミュレーション回路図。

+Bと+B1のシミュレーション結果。+Bが349V、+B1が90Vとなるようにフィッティングした。電源トランスは未入手なのでシリーズ抵抗Rserの値はテキトウ。大体ではあるが、整流後に電源トランスのタップの1.3倍、電流を目一杯使って出力が1.2倍となるようにした。これは経験則。西崎電機で以前特注した電源トランスは2次電圧が低めだったので、実際は1.2倍弱で設計してある。

6B4Gのフィラメント電源はSBDで整流し、LM350Tの3端子レギュレータによる定電圧電源となっている。LM350Tの最小入出力間電位差がわからないので、実験で確かめるしかない。大体3V程度確保できればよいはず。電位差のぶん発熱するからあまり大きくできない。6B4Gの冷間時フィラメント抵抗は低いので、LM350Tの保護回路が働いて点火できなかったら直列抵抗を入れ、その電圧降下ぶん出力電圧を高くするしかない。

LM350Tのデータシートより引用。LM350Tの電圧設定はIadjを50μAとした。

R1とR2はExcelで計算した。R1=300Ω、R2=1.2kΩでちょうど6.3Vとなった。

6B4Gシングルアンプで検索すると、このページが出てきた。ぺるけさんが設計した6B4Gのロードラインは5kΩとなっている。今回使用するOPTであるSE-5K10Wと同じなので、5kΩで考えてみた。

2.5kΩと同様、6B4Gのグリッドを+5Vまでドライブできるとした。動作点はEb=280V、Ip=45mA、Eg=-54Vとした。6B4Gの最大プレート電圧は300Vなので大丈夫。

 

出力を計算すると45^2*5/2000=5.06Wとなった。ロードラインの変更で1Wも増えるんだ。

6B4GのグリッドDC電圧は、カットオフを-120Vとすると10Vのマージンを見込んで76V(=120-54+10)とした。カットオフ電圧はもっと深いと考えられるが、グリッドDC電圧を高くしないといけないので妥協。

 

作成した回路図を上記に示す。NJM317Fの定電流の設定はVref=1.25Vとして1.25/27=46.3mA。

R7を算出したメモを備忘録。

電源部は同様にLTspiceでシミュレーションした。

 

+Bを421V、+B1を110Vとなるようにフィッティングした。

西崎電機に特注する電源トランスの仕様はこんな感じかな。春日無線の特注電源トランスO-BS300だと、2次側の総合計が95VA以内となっているので、それに収めるようにしてみた。

当初は2.5kΩで設計したが、5kΩで設計を進めたほうが良いような気がしてきた。出力が増えるし、6B4Gのような古典管では電流を欲張るよりプレート電圧を高く設定したほうがエミッションに優しいと思う。

 

NJM317Fの耐圧問題をいろいろ考えていたら面倒になり、抵抗1本で済まそうとシミュレーションしてみた。

 

シミュレーション結果は、プレート電流がAC95Vで47.3mA、AC100Vで46.0mA、AC105Vで44.7mAと電源電圧が上がるほど減る傾向が見られたが、あまり変化はない。

 

直熱3極管では通常のカソードバイパスコンデンサで使ったほうが自分好みの音になるので、今回もそのようにしてみるか。

 

結局半固定バイアスとなった。ずいぶん変遷したが、これでやってみよう。