おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6AR5シングルアンプの構想

6B4Gという銘球で力の入ったアンプを製作したので、今回はもっとリラックスしたアンプを作ろうかなどと考えている。それならMT管のラジオ球アンプはどうか。

6BD6-6AR5-5M-K9の並三球ラジオは、中学生の時に製作した思い入れのあるタマだ。そのうち6AR5を使い、電圧増幅管をラジオ球の6AU6としたアンプを考えてみる。7ピンMT管のラジオ球アンプなんて初心者向けみたいで真空管アンプビルダーの殆どは見向きもしないだろうから、かえって面白みがある。

6AR5は系譜をたどると6K6GTや41に行き着くようだ。以前これらのタマの音を聴いたことがあるが、同じ6F6族の42には及ばなかった。6AR5も同じことがおこる可能性があるけれど、聴いてみないことにはわからない。EL32や89(89Y)と同じ5極管だから、もしかしたら好みの音が出るかもしれない。

6AR5は3結を考えている。これはDFの点からで、出力は標準接続の1/3程度になるものの、6dB程度のNFBをかければ実用レベルになるはず。

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Tung-Solの6AR5のデータシートより、3結でのEp-Ip特性図にロードラインを引いてみた。RLは7kΩとした。6AR5はA1級を考えているので、グリッドがプラスのところは使えない。プレート電圧は最大定格の250Vくらいにする必要がある。

動作点はEb=250V、Ip=20mA、Eg=-23Vとした。最大プレート損失8.5Wの59%となる。3結での最大プレート損失は書かれていないので5結と同じと考えた。出力は20^2*7/2000=1.4W。OPTの損失を20%とすると1.1Wくらいか。算出したrpは3.6kΩと高めだが、NFBをかければDFは3くらいになるだろう(希望的観測)。

電圧増幅段は6AU6を5結で使う。2段増幅で、電圧増幅段と出力段はCR結合とする。LTspiceでシミュレーションしてパラメータフィッティングしたらどうかなあ?これなら机上でできる。6AR5のカットオフを-60Vとすると、グリッドのマイナス側は37Vまで振れれば良いわけで、ドライブは容易と思われる。

電源部は+BをいつものFETリプルフィルタとする。半導体整流では電源トランスの+Bタップが223Vと算出された。春日無線のH9-0901かゼネラルトランスのPMC-95Mが候補。6AR5が自分好みの音でなかった場合を考えて汎用性の高いPMC-95Mが有力。

OPTは東栄変成器のT-1200が候補。6AR5の3結のrpが高いため、インダクタンスの多いほうが有利。出力容量は1.5Wだから、今回の目標出力1.1Wに適合する。

気候も良くなったし、のんびり時間をかけて製作しよう。大体のレイアウトも頭の中にある。デザインだけは手を抜かないつもり。