おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

Bluetoothを試す

現在のPCオーディオは、音楽専用PCからトランス式USBDACで聴いている。でも時々常用PCからオーディオシステムに音を出したい時があって、ケーブルをつなぎ変えるのが面倒だ。それならBluetoothで音を出せたらいいなと思った。

Bluetoothは私の経験だとスマホからは問題なくつながるが、PCの場合接続に問題が出たり、挙動不審になることがあった。それなら安価な方法で試してみたい。

Bluetooth基板をAmazonで検索してみると、赤と青の基板が出てくる。中国から1週間くらいかけて届くのを待ってられないから翌日に届く青の基板を買ってみた。896円だから使えなくてもまあいいか。

届いた基板は3.1cm×3.1cm角の小さいもの(画像はでかいけど)。USB Micro Bで電源供給できる。PC(Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 22H2)から接続ケーブルでつなぎ、PCでペアリングをしてみたら問題なくつながった。出力は3.5mmのジャックなので、イヤホンで聴いてみると音量は十分だった。

電源オン時とペアリング時に女性の声でアナウンスがある。電源オンで赤のLEDが点滅し、ペアリングで常時点灯となり、音楽を再生すると再び点滅を始める。Bluetoothのデバイス名は"Bluetooth"となっている。Bluetooth基板の電源オンで音量は83%になる。100%に調整しても次の電源オン時には83%に戻ってしまう(但し表示は83%だが音量は100%になっている)。

基板に配線をハンダ付けした。電源電圧は3.7V~5Vとなっている。電源供給は単3のNi-MHバッテリー4個で4.8V。

WaveGeneで1kHz・0dBにおける出力を調べたらLch・Rch共に0.92Vだった。出力を直接ミリボルトメータにつないだ時の読みだ。また、ペアリング後の残留ノイズはLch・Rch共に1.45mVだった。

周波数特性。10Hzではフラット、20kHzで-1.2dBだった。

10Hzのサイン波。

1kHzのサイン波。

10kHzのサイン波。

20kHzのサイン波。波形がグネグネしているのはノイズが乗っていて揺れているから。

3階の自室で聴いてみた。出力に50kΩのボリュームを入れている。音は可もなく不可もなくといったところ。言い方を変えれば情報量小。トランス式USBDACのほうが断然良い。このBluetoothは普通に聴けるが高音質ではないなあ。

 

どうも出力が無い時には低ノイズなのだが、信号が入るとノイズが混入する感じ。そこで、出力にLCのLPFを入れてどうなるのか試してみたい。

 

Bluetooth基板の出力にLCによるLPFを付けることにし、手持ちのパーツを探したところ2.2mHのインダクタと0.01μFのフィルムコンデンサがあったので、それで試してみることにした。

 

当初LCだけにしたら10kHzあたりにピークを生じたので、ココを参考にインダクタと直列にボリュームを入れて周波数特性がフラットに近くなる値を探ったところ、510Ω程度が良かったので採用。

 

追加するLPFの回路とディメンジョンを上記に示す。51kΩはボリュームを想定している。

 

LPFを入れた時の周波数特性を測定した。20Hz~20kHzでは±0.15dBに収まっている。20Hzあたりから下がっているのは、測定に使用したオーディオアナライザの特性によるもので、ミリボルトメータで見る限り10Hzでもフラットだ。

 

LPF有り無しの歪率を測定。0dBからレベルを下げていくと歪率が悪くなるし、いわば残留ノイズを測定しているみたいなので0dBしか測らなかった。LPFを入れることで歪率が下がっている。特に10kHzではLPF無しで1.68%だったのが、LPF有りでは0.08%に激減。また、残留ノイズは1.45mVから0.023mV(23μV)に減った。

 

20kHzのサイン波。グネグネが消えた。

 

100円ショップで買ってきたケースに組み込んでみた。インダクタ(黒)は、クロストーク対策のため出来るだけ離し、互いに垂直となるようにしている。

 

アンテナを外付けに出来ないので金属ケースには入れられない。案外近距離なら大丈夫かもしれないけど。ノイズには不利だが、ケースが透明なので外からLEDが光っている様子が見える。電池を充電する時にはフタを開ければ良いので簡単。

 

短時間の試聴だが、駄耳の私には音質十分に思える。ノイズをLPFで除去しただけなので音色的には変わらないと思うが、実際には良くなったように感じるのはプラシーボか? トランス式USBDACには敵わないが、メインで聴くわけではないのでOKだ。

 

今回は手持ちパーツだけで出来たので、Bluetooth基板の896円しかかかっていない。もしノイズが飛び込むようなら銅箔テープで覆っておけば大丈夫だろう。

 

どうもLPFのエージングに時間がかかるようで、次第に高音質の様相を呈してきた。私にはトランスを通すかそうでないかの違いしか見いだせない。低ノイズ・低歪率・フラットな周波数特性の対策をするだけで良くなるものなのだね。

 

音楽専用PC(ThinkPad E440 OS Windows10 Home 22H2)にBluetoothドライバをインストールし、Bluetooth 4.0だがペアリングできた。1台のPCでトランス式USBとBluetoothで聴き比べができる。但し、BluetoothかUSBのどちらかのみで同時出力はできない。