出力がたった1Wのアンプなんだけど、音色を気に入ったのでちゃんと仕立ててやることにした。こうしてアンプが増殖していくわけだ。ラジオ球を使ったアンプをこんなふうにするのは私しか居ないに違いない。
6AR5シングルアンプのレイアウト設計を行う。シャーシはいつもの株式会社奥澤のアルミシャーシ、O-27(W250mm×D150mm×H40mm・t1.0mm)とした。ゆったりシャーシで組み立ては容易なはず。
レイアウト図を上記に示す。CADはSakraCadを使用。Windowsライクで馴染みやすく、Windows11でも動作する。
MT管を4本一列に並べたかったので、オーソドックスな配置とした。電源トランス前には小さなチョークコイルを置く。真空管ソケットの周りには6mmの放熱穴を開ける。ずれてもわかりにくいように、放射状に配置した。
真空管ソケット周りは立ラグを使った手配線とする。8Pの平ラグは試作機からの+B電源を流用する。入力ボリュームは、DACにボリュームがあるため省いた。傍熱管ラジオ球の真空管アンプだから、将来的にも譲渡することはあるまい。
実際に外装パーツを並べてみた。OPTと電源トランスの高さはほぼ同じとなる。OPTケースに入っているのは解体したアンプのOPTなので、東栄変成器のT-1200に換装する。
現時点では問題なし。
OPTをどの向きで入れるのか、電源トランスからの誘導ハムを調べてみた。OPTのB-7k間にミリボルトメータを接続し、その電圧を読み取る。上記のOPTの向きでは2.6mVだった。
OPTを90度回転。電圧は2.5mVだった。
どちらも低い値なので、向きはどちらでも構わない。配線の都合により最初の向きのほうがフィットするかな。
レイアウト図を左右逆にして印刷し、CRや配線の一部を描き込んだ。
100μF350Vの電解コンデンサと0.33μF400Vのフィルムコンデンサは真空管ソケットのピンへ直接つないでいない。6AU6は温くなる程度だが6AR5はかなり熱くなるので、ソケットのピンも当然熱くなる。抵抗は高温に耐えるが、コンデンサなどは熱に弱いので立ラグを中継し、直接熱が伝わらないようにしている。でもついソケットピンに直接ハンダ付けしちゃうよね。
穴開け図を作成。
OPTの換装を行う。T-1200は固定バンドの固定部を万力で伸ばした。こうすればケースに入れることができる。もし将来取り出して使うことがあれば元に戻す。
OPTの周りに厚紙を敷き詰めて底部プレートを固定すれば元どおり。
この後はシャーシ加工を行う予定。