おんにょの真空管オーディオ

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主に真空管を使用した自作アンプでの試行錯誤を公開しています。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

真空管アンプを製作すること

6AR5シングルアンプは明日にでも本組み立てに入れる状況になった。一旦始めれば数日で配線完了までいってしまうに違いない。

かつて2007年に真空管アンプの製作の興味が復活した際には、組み立て始めるとワクワク感が止まらなかった。早く組み立てて音出ししたい。そう思っていた。

完成したアンプに真空管を差し込んでスイッチをオンにし、コンセントとテーブルタップをアンプから1mくらい離れたところから差し込み、すぐさま飛び退くなんてことをやっていた。動作するかどうかわからないし、煙が出るとかどこかから放電するとかが怖かったからだ。

それから十年。ダイオード電解コンデンサの向きを確認し、+BとGND間をテスターで抵抗値を確認し、電源オンしてカソード電圧を確認するなんてことをやっている。確認して間違いがなければ、予想外のことが起こる可能性が低いからだ。

アンプを何十台も組み立てるうちに、製作する時のワクワク感は消え、組み立て完了まであと何日かなあなどと考えるようになった。いったん音が正常に出てしまえば、アンプによって音が極端に違うなんてことは無い。

ある程度特性を作り込んでおけば、出てくる音は似通ったものになり、ずっと聴いていると何となく違うような、ということになってくる。私の駄耳では聴き分けは難しい。そういう耳というか、聴き分ける経験を積んでくればわかるのかもしれないが、すでに16年も経ってしまった。

この真空管アンプを製作する行為自体が、人生をより良いものにすると思っている。わがままな趣味だけど。結果として製作した真空管アンプがあふれかえるということになった。

今までの経験だと、そうやってスキルを高めていくとだんだん意欲が薄れ、他のなにかに興味が移っていくことになるのだが、もう趣味として楽しめるにはあまり残された時間がないことがわかっている。別の趣味に入れ込むにはもう齢を取り過ぎているのだ。

拙い経験だが、直熱3極管のみが「良い音」を出すのではないことがわかってきた。私には傍熱管と直熱管の音色の違いがわからない。傍熱管にも自分好みの音を出すタマがいくつかある。その傍熱管でアンプを製作することが当分の楽しみとなりそうだ。ならないかもしれないけど。

 

6FM7差動アンプ。6FM7はテレビ球だ。これは2007年に真空管アンプの興味が復活した際、自分で回路設計して組み上げたアンプだ。もう解体してしまったけど。初段にメタル管の6J5、6FM7の電圧増幅3極ユニットと電力増幅3極ユニットで差動2段構成としている。自分の拙い回路設計でもちゃんと音が出るのを確認した1台であった。