回路のCRディメンジョンがどうなのか調べるためにバラック実験をしてみた。電源は+B用に昇圧DCDCを使用。
CV1056のヒーターには6.3V0.5Aのヒータートランス、PEN45のヒーターには東栄変成器のJ253を使った。J253は2.5Vに1.25Vのタップが出ており、2.5V+1.25Vで3.75Vとなる。実測3.86Vだった。すこし低めだが実験なので問題なしとした。
実験風景。
バラックを拡大。
回路図に実測の電圧を赤字で記入した。当初CV1056のプレート抵抗R3を100kΩとしたが、利得を測ってみたところ47.6倍と多すぎたので50kΩにした。また、PEN45のカソード抵抗R8は当初360Ωだったが、カソード電流が25mA程度と少なかったので300Ωまで値を下げた。
諸特性を測定。OPTの1次インピーダンスを5kΩと7kΩで測定した。高域は電圧増幅段が5極管接続ということもあり伸びていない。裸利得は26~29倍になった。NFBを6dB程度かけてダンピングファクターは4.8と5.6だった。出力はOPTのインピーダンス5kΩのほうが出ている。
OPTのインピーダンスが5kΩと7kΩでのAnalog Discoveryによる周波数特性。7kΩは220kHzあたりに小ピークあり。
OPTのインピーダンスが5kΩでの周波数特性。NFBをかけると低域が少々盛り上がるのは、おそらくOPTのインダクタンスとショートループのコンデンサによる共振と思われる。
OPTのインピーダンスが7kΩでの周波数特性。5kΩよりすこしだけ低域寄りの特性になる。
OPTのインピーダンスが5kΩでの周波数特性。各周波数でのカーブが揃っている。
OPTのインピーダンスが7kΩでの周波数特性。5kΩより低歪みだが、1Wを超えてのカーブの曲がり方が急だ。入力電圧を増やしていった時に、PEN45のグリッドをプラスに振れないためのクリップがカットオフより先にくるため。
7kΩのほうが低歪みだが、クリップが上下均等にくる5kΩのほうが出力が大きい。
NFBをかけた状態でダミーロード8Ωをオフ、0.047μF~0.47μFのコンデンサをOPTの2次側へ接続し、10kHz方形波の観測をしてみるが、リンギングは発生するものの発振には至らなかった。もっとNFBを深く、10dB程度かけても発振しなかった。
バラックをまだしばらく解体しないでおいて、何か思いついた時に実験をするつもり。アンプ部のCRディメンジョンはほぼ決定かな。