無帰還での特性に問題ないことが確認できたので、NFBをかけることにする。NFB量は6dB程度で、バラックでの実験からNFB抵抗を1.5kΩとした。
回路図を上記に示す。位相補正容量C5は入れていない。十全な安定を目指すのなら入れるべきだが、今回は不要と判断した。
使用機材
オシレータ TEXIO AG-205
ミリボルトメータ LEADER LMV-181B
デジタルオシロスコープ IWATSU DS-5105B
オーディオアナライザ Panasonic VP-7721A
ANALOG DISCOVERY 2
PC Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 22H2
詳細な諸特性を測定。高域-3dB点は34kHzまで伸びた。NFB量は6.3dB~6.5dB。歪率5%での出力は1kHzで1.5W~1.6Wだった。残留ノイズは0.3mV~0.4mVと低い。
Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。
同様にRchの周波数特性。
NFBをかけた周波数特性。20Hz付近にすこしピークが認められる。おそらくC4とOPTのインダクタンスによる共振と思われる。
クロストーク特性。LchとRchに残留ノイズの差があるため曲線が重ならない。20Hz~20kHzでは-64dB以下となった。
Lchの歪率特性。各周波数での曲線の差が少ない。
Rchの歪率特性。Lchと同様だがRchのほうが低歪み。
(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが、リンギングはあるものの発振はしなかった。
特性を調べた限りにおいては問題なかった。
3階自室で試聴してみた。第一印象は「鮮烈、瑞々しい」。クリアだが暖かさもある。低域まで伸びた特性なのでスケール感に優れる。
PEN45のプレートが管の上方にあるため、発熱してもシャーシに熱が伝わらない。シャーシ内も発熱する素子が少ないのでシャーシの温度が低い。発熱するのは主に電源トランス。
アクリルパネルは発注したお店から8月22日出荷予定という連絡があった。届くのは23日以降となる。