無帰還での動作に問題が見られないのでNFBをかけることにし、NFB抵抗値を探ったところ、浅くかけないと容量負荷のみでは発振してしまうことがわかった。OPTの2次側にゾベル素子を追加、NFBが4dB程度なら発振しないことがわかったので、それでいくことにした。
残留ノイズが無帰還で4mV近くあることについてはどうにもならず、結局別のEF39を調達した。
回路図。NFB抵抗R9は1.8kΩとした。C6とR10のゾベルを追加。
詳細な特性を測定。RchのEF39を交換した。NFB量は3.5dB~3.9dBとなった。高域カットオフは26kHzと伸びていない。歪率5%での出力は1.5Wだった。DFは2.8~2.9と低いが妥協する。
LchにおけるNFB前後の周波数特性。NFB後で20Hz~20kHzはぎりぎり確保しているかな。
RchにおけるNFB前後の周波数特性。Lchと同様だった。
クロストーク特性。高域での悪化は見られない。20Hz~20kHzでは-60dB以下となった。
Lchの歪率特性。残留ノイズが多めで小出力での歪率が良くない。10kHzが悪めだが、調べてみると110Hzと1kHzに歪みの打ち消しが働いているようだ。どうやら電圧増幅段(EF39)で高域の歪率が悪化し、10kHzでは歪みの打ち消しがされないらしい。
Rchの歪率特性。Lchと同様だった。
EF39から手持ちの6B8Gに替えて0.1Wでの歪率を調べたところ、110Hz 0.7%、1kHz 0.6%、10kHz 0.5%となった。おそらくEF39では、PEN45DDの電極間容量が大きすぎてドライブしきれないのではないか。
電圧増幅管を例えばEF37Aに替えたらどうなるのか興味があるけど、そのタマを買わないといけないし、余分な出費は避けたい。
EF39が薄汚れていて気になるので、挿していないEF39を歯ブラシと洗剤で水洗いしてみたけど汚れが殆ど落ちなかった。でもまあ水洗いしてみるか。