おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

R120シングルアンプ・手巻きOPTの特性測定

製作依頼者から手巻きOPTを入手した。1次インピーダンス3kΩ、2次インピーダンス8Ω、出力容量15W、1次最大重畳DC電流110mAの仕様。重量は2.4kg。どんなものか特性を測定してみた。

特性を調べるために6B4Gシングルアンプを使った。このアンプはTANGOのU-808を採用している。手巻きOPTの1次巻線抵抗はNo.1が413Ω、No.2が415Ωだった。U-808に比べ倍の値だ。

6B4Gシングルアンプの回路図を上記に示す。手巻きOPTの1次巻線抵抗による降圧は22Vと多い。

無帰還での周波数特性。2個のOPTの特性は40kHz位までは揃っていて、70kHzまでは素直に落ちている。ただ高域の低下が1kHz位から起きている。

試しにNFBをかけてみた。6dB弱のNFBでは安定している。

 

詳細な特性を測定。無帰還での高域-3dB点はNo.1が5.5kHz、No.2が6kHzだった。ダンピングファクタが1.4と低いのは1次巻線抵抗が影響している。出力は1kHzで4.4W出ている。NFBをかけてダンピングファクタは3.7まで増えたが、高域-3dB点は11kHzと相変わらず伸びない。

ちなみにU-808での特性を上記に示す。OPTの1次インピーダンスを3.5kΩとしたので厳密な比較はできないが、高域-3dB点は95kHzと非常に伸びている。ダンピングファクタは4.8~5.0と多く、出力も4.5W出ている。

手巻きOPTは高域の低下が早く、それが音色を支配するかもしれない。NFBをかけても安定しているので多くかけても良いが、R120シングルアンプではもともと裸利得が多くないのでNFBを深くかけられないと思われる。