おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

R120シングルアンプ・NFBと詳細な特性測定

RchのC3eの利得が低いのはわかったけど、CRのディメンジョン変更で利得をLchと同じレベルにできないか。プレート抵抗の変更、g2抵抗の変更をしてフィッティングを試みる。

プレート抵抗は75kΩから110kΩまで増やすと利得が増えるものの、それ以上ではプレート電圧が低下し利得が逆に下がってしまう。g2抵抗を増やすとg2電圧が下がり、プレート電流が減ってプレート電圧が上がる。R4のg2抵抗を330kΩから680kΩに増やし、R3のプレート抵抗を110kΩとすることでLchとRchの利得の差が無くなった。

再び回路図に赤字で電圧を記入した。C3e周りの電圧が左右chで違っているのがわかると思う。

NFBは軽く3dBかけることにして、ボリュームで調べたところR8は2kΩとなった。抵抗を2kΩとして特性を調べることにする。

諸特性を上記に示す。3dB程度のNFBだから高域はあまり伸びていない。DFは2.5~2.8まで増えた。残留ノイズは0.2mVくらい。

このアンプは低域が非常に伸びているので、シングルであることもあり電源電圧の変動をもろに受ける。測定器の針がピクピク激しく動いて値がわかりにくい。わかりにくいから時間がかかってイライラしてくる。

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Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。3dBのNFBだから改善はわずか。

Analog Discoveryの調子が悪く、いったん接続をバラしてから組んだらようやく測定できた。おそらくどこかの接触不良だと思うがよくわからない。

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Rchの周波数特性。

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは20Hzがリミットして-60dB以下だった。

Lchの歪率特性。10kHzの0.5W以上で悪化しているのは、OPTの高域低下により出力管が頑張るんだけど、早くにクリップが来てしまうため。

Rchの歪率特性。なんだかちゃんと測れていないみたいで、10kHzが正常のような感じ。もっともC3eの電流を絞っているから、それが影響しているのかもしれない。

特性を追求したアンプではないので、あくまで健康診断の結果ということにしたい。

10kHzの出力が1W前後なので、大音量で聴いたら高音が出ないアンプとなる可能性が高い。とはいっても、10kHzで1W出すような状況はそうそうないと思うけど。