そういえば12B4Aシングルアンプでバラック実験をやっていなかったな、ということで、特性がどんな感じになるのか、そしてCRのディメンジョンを決めるために行うことにした。
実験風景。
最初に電圧増幅段を組んだところ、6AN8Aの5極部のプレート電圧が90V程度に低くなってしまったので、カソード抵抗R2を1kΩから1.5kΩに、g2抵抗R4を470kΩから590kΩに変更した。
回路の電圧を上記の赤字で示す。+B電源には昇圧DCDCを使った。
5本の6AN8Aで各部の電圧及び利得を測定。No.3を除き利得は132倍~148倍となり、かなりバラついている。
4本の12B4Aで各部の電圧、利得を測定。6AN8AはNo.5を使った。真空管を頻繁に抜き差しすると、バラックだからリードがショートしてしまうため。NFB抵抗は1.3kΩとした。
残留ノイズと利得は6AN8Aと12B4Aの組み合わせによって決まるため、実機を組んだ後に再測定する。
諸特性を測定。無帰還でも高域-3dB点の周波数が116kHzと非常に伸びている。無帰還でのDFは2.0だった。6dBのNFBで利得は11.8倍、DFは5.0となった。出力は1kHzで1.3Wとなっている。
Analog Discoveryによる周波数特性。NFB有りでは150kHzあたりに小ピークがあるため、位相補正容量を入れる必要がある。
歪率特性。残留ノイズが多いので小出力での歪率が高い。100Hzの歪率カーブが悪めなのはおそらくOPTのインダクタンスによるものなので致し方ないかな。残留ノイズが少なくなれば、0.1Wでの歪率は1kHzで0.2%くらいになると予想する。ただ、6AN8Aと12B4Aの組み合わせによって変わるはず。
NFB抵抗1.3kΩと並列に位相補正容量220pFを接続。(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div) SP出力に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが、リンギングはあるものの発振には至らなかった。
実測を取り込んで回路図を変更した。