VT-25シングルアンプは無帰還での特性に問題ないことが確認できたので、NFBをかけることにした。NFB抵抗は実験機で1kΩとすれば6dBとなることがわかっている。発振防止に位相補正容量1000pFを並列に入れる。
現状の回路図。
諸特性を測定。高域は70kHz前後まで伸び、1kHzでの歪率5%の出力は2Wだった。DFは3.5~3.9で、違っているのはVT-25の内部抵抗のバラツキによると思われる。残留ノイズは0.11mVと低い。
Lchの周波数特性。位相補正により30kHz~60kHzにかけて下がっていることがわかる。
Rchの周波数特性。Lchと同様だった。
NFB後の周波数特性。左右チャンネルで特性がよく揃っている。
クロストーク特性。6DN7カソードフォロアの±電源が左右で共通ということで低域のクロストーク悪化を心配したが、20Hzで-70dB取れている。20Hz~20kHzでは-70dB以下となった。
Lchの歪率特性。実験機と同様な特性になった。
Rchの歪率特性。
歪率特性からはRchのほうが残留ノイズが多いことを示しているが、残留ノイズは両チャンネルで0.11mVで同じ。おそらく特性測定時に残留ノイズの変動があったものと思われる。
[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。
特性は問題ないことが確認できたので、3階の自室で試聴する。送信管のためか中高域に浸透力があって音がよく飛ぶ。反面、低域は普通といった印象。
現状何か改善すべき項目は見つからないし、このまま完成まで行きそうな気がしてきた。ただ一点、VT-62に挿し替えたら特性がどうなるのか興味がある。もしVT-62にしてプレート電流を増やしたら主役交代になりかねないので、あくまで参考データとして取っておきたい。