前回は4P1Lを3結にしたが、今回は3結に近いUL接続にして特性を調べてみた。
回路図。g2を4P1LのプレートからOPTの5k端子に接続した。3結に近いUL接続と書いたのは、ULタップは巻数比で40%~50%から出すので、巻数比の2乗がインピーダンスとなるから√7k=83.7、√5k=70.7より70.7/83.7=0.84、即ち84%のタップを使っていることになる。合ってるかな?
諸特性を測定。利得は増えてNFB量も増加。周波数特性はNFB量の増加のためかすこし高低域が伸びた。出力も増加。DFは5.6から5.3へ下がった。残留ノイズは減った。
NFB有り無しの周波数特性。UL接続にして高域に暴れが生じるかと予想したが、大丈夫だった。
無帰還での3結とUL接続の周波数特性を比較。利得が違っている他に特性の変化はない。
歪率特性。全体にカーブが右下へ移動。3結では1W以上で明確にクリップしていたが、UL接続でははっきりしない。
1kHzでの3結とUL接続の歪率特性を比較。UL接続のほうが低歪みで出力が増えていることがわかる。
[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。
3結に近いUL接続のほうが特性的には良くなるようだ。唯一DFが低下したが、あまり変わらないといえる。これで試聴結果が良かったら採用して良いかもしれない。
(2024.04.10追記)
TANGO U-608には1次2.5kΩタップがあるので、4P1Lのg2を2.5kΩタップにつないで特性を測定してみた。√2.5k=50なので、7kΩに対し60%のタップに接続したことになる。合ってるかな?
諸特性を測定。周波数特性は帯域が高域へ移動したかんじ。歪率5%における1kHzでの出力は2.2Wまで増加。利得も増えたしNFB量も増加。DFは5.0まで低下したが、そんなに下がっていない。残留ノイズはほぼ同じだった。
NFB有り無しの周波数特性。160kHz付近に小さな段差が現れた。
無帰還での3結・UL 5kΩ・UL 2.5kΩの周波数特性。利得が増えるとともに高域に移動していることがわかる。わずかだけど。
歪率特性。1kHzと10kHzに歪みの打ち消しがかかって最低歪率が0.06%台まで低下。
1kHzでの3結・UL 5kΩ・UL 2.5kΩの歪率特性を比較。最大出力が増えるとともに最低歪率が低下していることがわかる。
[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。
特性的にはULの2.5kΩのほうが良いし、DFも5.0あってあまり下がっていない。試聴すると周波数特性からは低域があまり出なくなったと感じるかもしれない。これは試聴結果次第だけど。