回路図と突き合わせての配線チェックを実施。とりあえず、大丈夫のようだ。
電源をONして電圧チェックを行う。各部の電圧に異常な値はなさそう。初段12BF6のヒーター電圧は12.6Vと適正値になった(以前は13.4V)。
続いてSP端子にテスターをAC電圧にしてつなぎ、入力端子に指を触れてボリュームを上げてみる。電圧が暫時増加していくことを確認。とりあえず一安心。
さらに入力端子へオシレータをつなぎ、出力端子にはオシロをつないでサイン波形の観測。ボリュームを変化させても発振は見られない。矩形波の観測をした後に裏蓋をはめて各特性のチェックに入る。
諸特性は以下のとおり。リニューアル前後で真空管も部品も同じものを使用しているのだが、裸利得がLchで0.8dB、Rchで0.4dB増加している。これはどういうことなのか。変わったのは12BF6のヒーター電圧のみ。12BF6のμが増加した?あるいはrpが減ったため?12BF6の各ピンの電圧はヒーター電圧を除き、リニューアル前後で変わらなかった。
気になっていたLch OPTとAC1次配線の接近は、リニューアル後で残留ノイズが逆に減少したことで問題なしと判断。
裸利得が増加したためにNFBを多くかけることができ、DFも向上した。また、残留ノイズも0.2〜0.3mV低下した。
1W時の周波数特性。NFB量が増えたため、特性がわずかに向上している。
歪率特性。こちらも歪率が低減している。
クロストーク特性。2KHz以下では残留ノイズの減少に伴い特性が向上した。しかし、入力VRに2連のものを使ったせいか、あるいは左右の入力配線が接近したせいか、2KHz以上で悪化している。
完成した10EW7差動アンプを記念撮影。サイドウッドがあったほうが、アンプのデザインがより引き立つと思う。
最後に、リビングに収まった10EW7差動アンプ。CDプレーヤーに乗っている6922差動ラインアンプとデザインの統一が図られていることがわかるだろう。
最終版回路図↓
リニューアル前の10EW7差動アンプについては、2008年6/14の拙ブログ「10EW7差動アンプ・その9」を参照して下さい。