前回の構想を早速実行に移してみることにした。
10EM7 unit1のμは68、rpは40KΩ。高rp管では1mA弱しか流せない。今まで低rp管によるFETとのカスコードはやってみたけれど、高rp管でも可能なのか?
こんな実験回路を組んでみた。電流は0.82mA。2SK30A-Yは無選別で適当に使用。2SK30A-Yのバイアスは0.516Vとなった。
実験風景。こたつ板の上に並べているのでごちゃごちゃしている。
カスコード回路のアップ。
1KHzにおける最大出力電圧は70Vrms、185Vp-pだった。これは波形の歪みを甘めに見ているから、実力はもっと低い。
利得は入力0.144Vrmsの時に出力は25Vrms、66Vp-pで174倍。gmを逆算すると1.45となった。
これなら10EM7 unit2を十分振れるし、総合利得も23倍程度にはなると思われる。仕上がり利得を10倍としても、7dB程度のNFBをかけられる計算だ。
問題点としては高域の低下がかなり低い周波数から始まるだろう。これは実際にunit2を含めた回路を組んでみないとわからない。
他に懸念点が1つある。それは、この改造によって「普通の音」というか、これといって特徴の無い音になってしまう可能性があること。6B4Gシングルアンプで初段をカスコード回路に改造したら、そうなってしまったという前例がある。
ま、やってみて元のほうが良いと感じたら改造前に戻せばいいんだけど。