イトウ電子部品のADUM4160を使ったUSBアイソレータを入手した。PCでの歪率測定用に使ったらどうだろうか?と思って買ってみた。
以前、拙ブログでWaveGene・WaveSpectraを使用しての歪率測定をやったことがあったが、この時は録音・再生用にSE-U33GXを2台使用した方法だった。
1台のPCでWaveGene及びWaveSpectraを使用すると、ループバックではまだ良いのだがアンプでの歪率測定では何らかのノイズが増えてしまい、小出力領域の歪率が悪化する傾向があった。
その時は2台のPCをそれぞれ再生と録音に使用することでノイズ対策をした。今回は再生にUSBアイソレータを入れ、1台のPCで測定したらどうなるかを試してみた。
まず、こんな感じでループバックでの歪率を測定する。
結果は上記のグラフになった。
これは2台のPCを使用した時のループバック歪率特性。USBアイソレータを使用すると100Hzにおける歪率が良くなっていることがわかる。1KHz・10KHzでは変わらなかった。
アンプでの歪率測定は上記のように行った。
実験風景。左上にUSBアイソレータがある。
これがUSBアイソレータを使用した17JZ8 CSPPアンプの歪率特性。
2台のPCを使用した歪率特性を上記に示す。1台のPCでも同様に歪率測定ができていることがわかる。
USBアイソレータを使用したループバックの歪率特性で示したように、再生側のオーディオインターフェース(DAC)の歪率が低くないと、アンプでの歪率測定でそれ以上低くなることはない。
これがSE-U33GXの特性なのか、あるいは測定系のノイズなのかは切り分けることができない。ただループバックで100Hzの歪率特性が良くなったことを考えると、測定系の問題なのかもしれない。
以下はまとめ。
PCを使用した歪率測定では、オーディオインターフェースの性能が特性を左右してしまうことがわかってきた。
USBオーディオインターフェースに安価な(例えば1万円以下)のものを使用すると、残留ノイズが多いものがあり雑音歪率が悪めに出るため、低歪率の測定は不可能となる。
フルデュプレックス(全二重)・同時録音再生を謳っているものでないとWaveSpectraでの歪率測定に適さない(それなりの測定となる)。この件に関しては拙ブログを参照。
スタジオ機器を意識したものは、ライン入力がバランスとなり、アンバランスに変換してから入力する必要がある。
仮に低歪みでの測定が可能になったとしても、入力レベル調整は手動であり、かなり面倒な操作であることには変わりない。