TpAs-203版トランス式USBDACのボリューム追加改造が完了した。特性は以下のとおり。ちなみに改造前の特性はこちら。
・出力電圧:1.95V(0dBFS)、ボリューム最大
・残留ノイズ:0.22mV(Lch,Rch)、ボリューム最大
改造前の出力電圧は1.77Vだったが1.95Vに増加。これはLPFの抵抗が160Ωから75Ωになったためで、最初は測定ミスかと思った。ぺるけさんの改修の目的はおそらくこれだね。残留ノイズは0.19mVから0.22mVに微増。
周波数特性。今回は3Hzから測定している。0dBでの10Hz以下で小ピークがある。これはDAC出力に入っている330uFのコンデンサとトランスとの共振が原因と思われる。容量を増やせば共振周波数が下がってピークが消えるけど、逆に減らして推奨の220uFにしてみるか。
歪率特性。残留ノイズの微増により曲線がわずか上にシフト。一番違いが出たのが100Hzの0dBでの歪率で、-1dBまでは良かったが急激に悪化。でも、歪んでも0.09%だから問題ないといえば問題ない。
高級ボリューム・RK2122Gを使ってみた感想は、操作感がALPSのRK27に比べて軽めで滑らか。RK27はボリュームを絞り切ると本当に0Ωとなるので無音になるが、RK2122Gは残留抵抗がすこしあるから無音にはならない。でもヘッドホンではなくてスピーカーだから気になることはない。
拙5A6プッシュプルにつないで聴いてみた。TpAs-203版トランス式USBDAC(上段)は、改造前の音を久しく聴いていなかったから比較できないが、ナチュラルで高解像度だしびっくりするほど良く鳴っている。
細部に渡りさらけ出すような、聴き疲れするような鳴り方ではないからいつまでも心地よく聴いていられる。ただしこれは接続される真空管アンプにそのようなチューニングを施しているからかもしれない。
たぶんぺるけさんは試聴を繰り返してLPFのCRの値を決めたのだろうけど、これ以上の音質を望むのはかなり困難のように思われる。
TF-3版トランス式USBDAC(下段)は低域の分厚さが特徴だ。でも中高域のクリアさにかけてはTpAs-203版のほうが優れている。