TpAs-203版トランス式USBDACの改造は前回で完了の予定だったが、気になる点があったのですこしいじってみることにした。
周波数特性を上記に示す。0dBでの8Hzあたりに小ピークがある。これはDCカットコンデンサ(C5,C6)とトランスの共振によるものとみられ、コンデンサの容量を増やすとピークが減らせることを確認済み。
本家Webでは「DCカットコンデンサ容量を100μFのままにしておくと共振ピークの山が大きくなってしまうので、220μFに増やしています。この可聴帯域外の特性をどうチューニングするかで音の傾向が変わり、これはチューニングのノウハウの領域の問題ですので増やせばいいというものではありません。」と書かれており、むやみに増やすことへの忠告としている。
今回はC5,C6を330uFから220uF足して550uFとしてみた。
220uFの電解コンデンサを2個追加したところ。本当は330uFを470uFに交換したかったが、スルーホール基板でコンデンサを外すのが難しいのと、後で戻せるように基板裏に付け足す形にした。
このコンデンサを通さずに配線を出して、外でコンデンサ容量のチューニングをしたほうが賢いと思うが、立ラグを入れる場所がないし、残留ノイズが増えてしまうのは良くないので前記の方法にした。
変更後の周波数特性。8Hzでの小ピークは+0.60dBから+0.35dBに下がっているが、完全に潰せてはいない。本来ならこのような小ピークは出力レベルが低い時に顕著になり、レベルが高くなるとトランスの飽和により下がってピークが見えなくなるはずなのに、なぜ逆なのかわからない。
歪率特性。こちらは全く同じだった。100Hzの0dBでの悪化カーブも同じ。このコンデンサの容量には無関係らしい。
DCカットコンデンサを増量しての試聴結果は、短時間かつ駄耳であるという前提で、いくぶん低音が出るようになったかな、という感じ。その他は変化がわからなかった。聴く音楽の種類によるのだろう。トータルではTF-3版トランス式USBDACを凌駕しているように思う。