このところトランス式USBDACの改造記事が続いているが、今回で打ち止めの予定なのでもう少しご辛抱を(って何をだ?)。
本家WebのLPFのCR値変更は600Ω(SPLIT):600Ωにも及んでいるので、TF-3版トランス式USBDACでも変更することにした。TF-3は1次と2次をひっくり返して150Ω:600Ωとして使っている。
回路図を上記に示す。もともとはR12,R13が33Ωだったのを27Ωに変更している。LPFはカットオフ周波数が48.2KHzから58.9KHzへ高くなっている。
いきなり変更後のケース内部の画像。抵抗を2本交換するだけだからわけないよなあ(赤いコンデンサの右側)。
特性は以下のとおり。
・出力電圧:1.01V(0dBFS)、ボリューム最大
・残留ノイズ:0.17mV(Lch,Rch)、ボリューム最大
出力電圧は0.98Vから1.01Vにすこしだけ上昇。残留ノイズは変化がなかった。
周波数特性。今回は3Hzから測定してある。こんな低い周波数でもレベル低下がほとんどない。
歪率特性。2台のPCで、WaveGeneとWaveSpectraにて測定している。50Hzと100Hzで0dBにした時にだけ歪率が悪化しているが、それでも0.15%以内に収まっている。PCを替えても、R12を150Ωくらいに増やしても傾向は同じ。歪率が悪化しない以前の特性を再現することができない。まあいいか。
本家でもやはり同じ傾向が見られるし、WaveGeneのWebを見ると「入出力レベルは、できるだけ最大値(0dB)に近い方が良いですが、サウンドデバイスによっては、0dBでの入出力ができない(歪む)ものも存在するので、その場合は数dB程度低くしてみてください。」と書かれているので、それに相当するのではないかと思っている。
試聴結果は今回の変更では違いがわからなかった。変更する必要はないと思ったし、かといって元に戻す必要性も感じない。
TpAs-203版トランス式USBDACに比べて低音がオクターブ低くなるような感じが特徴。音のヌケはTpAs-203版のほうが優っているように思う。