おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

トランス式USBDAC・TF-3版をLC型に変更する・その1

ぺるけさんのWebでトランス式USBDACをRC型LPFからLC型LPFに変更したものが発表されている。でも2014年10月現在、600Ω:10KΩのマッチングトランスを使用したもののみで、150Ω:600ΩでのLC型LPFはまだ発表されていない。

 

私の場合はタムラのTpAs-203を使った600Ω:10KΩのものをメインに使用していることもあり、TF-3を使った150Ω:600Ωのほうを先にLC型へ変更しようと思う。

 

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現状のRC型LPFでの周波数特性を上記に示す。これがリファレンスとなる。

 

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現状のRC型LPFでの歪率特性を上記に示す。これは30KHzのLPFを通して測定したものであり、ぺるけさんの20KHzのLPFを通して測定したものに比べて10KHzの歪率が悪いのは残留ノイズのせいだと考えられる。 現状での残留ノイズは0.188mV、24μV(30KHz LPF)となっている。

 

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LC型にしたらどうなるのか実験してみた。実験回路と生データを上記に示す。SW1・SW2はOFFにしてVR1・VR2の抵抗値を測定するために入れた。

 

インダクタ2.2mHとコンデンサ0.012μFはぺるけさんの600:10Kマッチングトランス用のパラメータで、150Ω:600Ωではどうなのかわからなかったので同じ値を用いることにした。

 

インダクタ2.2mHのDCRは3.1Ω。VR1を0Ω、SW1をオン、SW2をオフにして測定した。

 

結果はWaveGeneで0dB・1KHzでの電圧がRC型の1.02Vに対し1.18Vにアップ。残留ノイズは0.036mVに激減。歪率は100Hz・1KHz・10KHzの全てにおいて改善されている。ところが残念なことに周波数特性の高域がかなりダウンしてしまった。

 

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そこで、もう1組のインダクタとコンデンサを使ってそれぞれ並列にし、1.1mH及び0.024μFとして実験してみた。

 

結果はWaveGeneで0dB・1KHzでの電圧が1.20Vに微増。残留ノイズは0.048mVに増えた。歪率は2.2mH・0.012μF版に比べて悪化したがRC型よりは良い。周波数特性は15KHzに少し盛り上がりができてしまった。

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実験中のトランス式USBDAC。

 

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LCの共振周波数を上記の表に示す。最初の実験では2.2mHと0.012μFの組み合わせで共振周波数は31KHz。次の実験では1.1mHと0.024μFの組み合わせで共振周波数は同じく31KHz。

 

2つの実験から推測すると、1mHと0.027μFの組み合わせが良さそう。インダクタンスを減らすと歪率が悪化するのであまり下げないほうが良いかも。

 

試しにVR1の抵抗値を増やしてみると周波数特性のピークが改善されるようなので、インダクタのDCRが多いほうが良さそう。また、SW2をオンしてVR2の抵抗値を減らしてみると歪率が悪化するようだ。

 

次回はもっとインダクタとコンデンサの種類を増やして良さそうな落としどころを探ってみるつもり。