先月にさわりを書いたけど、そろそろ3A5トリプルプッシュプルアンプの実験を始めることにする。今回はフィラメントの点火実験をしてみた。
3A5はパラレルで1.4V0.22A、シリーズで2.8V0.11Aのフィラメント点火方法がある。3A5のグリッドバイアスは浅くて、今回は-3.5Vなのでシリーズにするとフィラメントの場所でかなり異なってしまう。なのでパラレルで点火することにした。3本並列で1.4V0.66Aのフィラメント電源が必要となる。
フィラメントの点火には乾電池、AC電源からのDC供給の2通りがある。アンプはAC100Vでの使用を前提にしているからAC電源にしたい。
3A5パラシングルアンプではレギュレータICを使った。今回は絶縁型DC-DCコンバータによる点火を試してみたい。3A5を2本並列にした点火実験は拙ブログで行っている。
MCWI03-12S033は最大電流が0.7Aであり今回はぎりぎり。3A5のフィラメントは冷間時に抵抗が低くDC-DCコンバータの保護が働いて点火できない可能性がある。
実験回路を上記に示す。直列に抵抗2.88Ωが入っているので、ある程度緩衝となりうるが、試してみないとわからない。Voutは3.3VなのでR1は(3.3-1.4)/0.66=2.88Ωとなる。
3A5の7ピンソケットを3個止めるアルミプレートを作った。じつは代案が浮かばなくてこれが懸案事項となってしまっていた。だって面倒だから。
こういう小物の加工は要らない板にプレートを養生テープで仮固定して穴開けをすると良い。横着して指で押さえてやっていたらドリル刃を抜く時にプレートが持ち上がってクルクル回る状態になった。この時に指をケガすることがあるので注意。今回は幸い大丈夫だったけど。
バラックを組んで実験中。コンバータの保護が働くことなく電圧が立ち上がった。フィラメント電圧は1.39V。電源トランスは12V0.5Aで6W。DC-DCコンバータの効率を60%として、入力換算で3.3*0.66/0.6=3.63W。十分余裕があることがわかる。
リプル・ノイズは2.5mVだった。電源トランスを触ると低下して2mV程度となる。電源トランスを12Vタップから8Vタップにしても動くはず。さらにリプル・ノイズが低下すると思う。
ということでやってみたらちゃんと動作する。リプル・ノイズは1.7mVとなった。
今回はDC-DCコンバータ出力に普通の電解コンデンサ1000uFを入れたが、OSコンに替えたらどうなるか試してみたい。
後はバラックで片チャンネルだけ組んでみて、残留ノイズがどれくらいになるか確認するつもり。