3B7パラシングルアンプを改造した。このアンプはクロストーク特性があまり良くない。
上記がクロストーク特性で、いったん悪化した後、周波数が高くなると改善する。
これは+B電源のFETリプルフィルタにおけるインピーダンスが高いためと考えられる。3B7は殆どゼロバイアスで動作しておりグリッドのプラス領域でグリッド電流が流れ、電源を介して他チャンネルに影響を与えているらしい。
数100Hzで悪化した後に改善しているのは+Bに入れたコンデンサのインピーダンスにより下がっているためだろう。
先日FETリプルフィルタの出力インピーダンスを測定し、MOSFETの種類により出力インピーダンスに違いがあることがわかった。3B7パラシングルアンプではTK3A60DAを使用しており、これを2SK3234に替えればインピーダンスは半減するはず。
改造後の回路図を上記に示す。M1を2SK3234に変更、+Bに入れたコンデンサC6を104uFから10uFに減らした。出力インピーダンスが下がれば高域でのインピーダンス上昇を防ぐための容量は10uFあれば良い。
改造後のクロストーク特性。左右チャンネルの残留ノイズに差があるため曲線が重ならなかったが、数100Hzの盛り上がりが消えて平坦になっている。クロストーク特性は20Hz〜20KHzでL→Rが-73dB、R→Lが-71dBとなった。
シングルアンプは電源のインピーダンスがクロストーク特性に影響を与えることがわかった。プッシュプルアンプは差動アンプなら信号ループが電源を通らないので、電源のインピーダンスが少々高くても問題ない。