今年の3月に完成した6FJ7シングルアンプと6DJ8パラシングルアンプを並べてみた。同じシャーシを使っているのだが6FJ7シングルアンプのほうが小さく見える。黒が収縮色だから一層コンパクトに感じる。
音はシングル同士のためか良く似ていて駄耳の私には区別がつかない。聴き込めば違いがわかってくるように思うけど。6FJ7シングルアンプは電圧増幅段と出力段がカップリングコンデンサで接続されていて、6DJ8パラシングルアンプは直結だから音の鮮度が違うかというとそういうわけではない。
今度は6922プッシュプルアンプと比較試聴してみた。回路的には差動アンプ(厳密にはもどき)で、差動回路の半分を切り出したのが6DJ8パラシングルアンプみたいなふうになっている。
これはもう音が全然違う。低音の質に違いを感じる。パラシングルは量感はあるがもっさりした感じ。シングルとプッシュプルの違いそのままが現れているといって良い。
プッシュプルは高音が繊細。パラシングルは音に暖かみが感じられる。6922とECC88の違いなのかもと思って6DJ8パラシングルアンプのほうに6922を挿してみたけど音色の傾向は一緒だった。逆はプッシュプルのDCバランスを調整する必要があって面倒なのでやらなかった。
ボーカル曲を聴くのならシングル、器楽曲ならプッシュプルかな。6922プッシュプルアンプは低域にパワーがあるのでそういう曲を聴くのに適している。