実はこのアコギを入手してしまったのだった。以前現金を握りしめてエレアコ(ピックアップ付き)の12eを試奏したことがあったのだが、店員の執拗な攻撃(笑)に遭い緊張して試奏どころではなくなり購入する気が失せて買うのをやめたという経緯がある。
レフティはネット上に売りに出ている時が旬で、それを逃したらいつ入荷するかもわからない。オーダーしたヤイリのYF-00028-LH Customはあるけどもう1本を使って交互に練習したい。それぞれの違いに慣れておいたほうが上達が早いらしいので。
このアコギは「ビギナーの方が途中でギターをやめてしまわないように」作られている。すなわちとても弾きやすい。弦長は630mmで弦のテンションが低い。弦高は12フレット6弦 2.6mm、1弦 1.8mmくらい。ジジイの老化した手にも優しい。
実売は8万5千円くらいなのだが、輸送費の占める割合が高いのだろう。初心者向けのアコギとしては高めの価格。
アメリカでは500ドルくらいで売られているらしく、Taylorでも特に安価なアコギだ。演奏性を重視した作りになっているが、それ以外は思い切りコストカットされている。ピックガードは無いし、口輪は印刷らしく、トップ周囲の飾りは省略。ネックとサドルはたぶんTUSQ。ブリッジピンはプラスチック。ボディはマット(ツヤ消し)塗装で汚れが付きにくいし滑りにくい。トップはシトカスプルースの単板。サイドとバックはサペリという合板。
肘の側が当たる部分は削ってあり、アームレストと謳っている。その代わりボディ側は角Rがあまりついていないので、体に当たる部分に跡がつくが慣れた。
バックは中央がすこし膨らんでいる。
ネックはハードロックメイプルという木材で、結構白っぽいので好みが別れるかな。
ネックはLow Profileに近い。厚みがあるほうだと思うのだが、薄いと私はFのコードなどに力を入れられない。これくらいのほうが好みだ。
もし試奏する機会があったらB7とかAとかFとか押さえてみてほしい。私なんかB7が隣の弦に指が触れて苦労しているので押さえやすさに感激したほど。ネック幅は43mmと細めなのに何でこんなに押さえやすいのか?ピックガードが無いこともあるしフィンガーピッキングに最適だと思う。反面、国産のアコギに慣れている人は弦間ピッチが広すぎて弾きにくいと感じるかもしれない。
私は弾き語りの伴奏用と割り切っているので、こういったストレスがあると意識がそちらにいってしまい歌に集中できない。
私がAcademy 10でなく12にしたのはボディの抱えやすさで、肩のケガの後遺症で二の腕を開く角度があると痛みが出てしまう。このアコギはグランドコンサートでマーチンのトリプルオーに近く、低音のボリュームより弾きやすさを優先する。
弾いてみてボディの鳴りは相当なもので、音量が出ているように感じる。下ろしたてでも鳴らし込みが不要な感じ。その代わり音色に深みはないので弾いてみて好みかどうか判断する必要があると思う。もっと音量を出したければピックアップ付きの12eでアンプを通したほうが良い。私は自室で弾くのが目的なのでピックアップ無しを選択した。ちなみに以前試奏した時には、ピックアップを通した音色は自然な感じ(本体側ですこし変えられる)で良かった。
ただ鳴りが良い反面、道具としての堅牢性はあまりないと思われるので、倒したり落としたりしたら修理不可能になると予想される。優しく扱うのが良い。
チューニングはペグに手抜きはないようで合わせやすい。狂ったり合わせにくかったりすると演奏性に影響が出てしまう。
購入時に張られていた弦はエリクサー・フォスファーブロンズのNANOWEB Lightで、私にはテンションが強く感じたのでYAMAHAのFS510に張り替えてしまった。
テンションが低くなったせいで弦を弾くとビビるようになり、トラスロッドレンチ(別売)を購入して調整した。ちなみにSCUDのパイプレンチ1/4インチ WRE-I14がキツキツではあるが使える。もし不安だったら純正をお薦めする。2,000円くらいするけど。
ヤイリのYF-00028-LH CustomとTaylor Academy 12に慣れてきたらYAMAHAのFS830レフティコンバージョンが弾きにくくなってしまった。これは弦間ピッチが狭くてコードを押さえにくいとか、フィンガーピッキングしにくいことに起因する。YAMAHAでもLシリーズなどネック幅に44mmを採用しているなど、幅が広くなってきているようだ。指が細くて先が尖っていて、ピックでのストロークを多用するのなら良いと思うけど。