西崎電機へ電源トランスの特注をお願いした。依頼内容は以下のとおり。
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伏せ型電源トランス(上下カバー付き)の見積もりをお願いします。
1次 0-100V 50/60Hz
2次
0-260V 0.2A 52.0VA
0-100V 0.1A 10.0VA
0-8V 2.0A 16.0VA
0-8V 2.0A 16.0VA
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計 94.0VA
端子数:10
希望個数:1個
※負荷をかけた時の電圧で設計して下さい。
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なお、2A3での使用は一切考慮していない。
見積もり依頼後に返信があり、発注してから2日後に電源トランスが届いたので驚いた。どうもありがとうございます! そんなに早く作れるものなのか。外形寸法はW88mm×D76mm×H70mm(シャーシ上)、コアサイズ85mm×72mm、重量2.1kg。
さっそく無負荷での電圧を測ってみた。今回は巻き足しがされている。東栄変成器にヒータートランスを特注した際にも聞かれたが、2次側の電圧は無負荷か負荷をかけるのか、どちらかを指定する必要があること。真空管アンプでは当然負荷をかけた電圧で設計するが、トランス屋さんは指定されないと製作できないというわけ。
先日作成したフィラメントのDC点火回路に8V端子をつないで実験。端子の電圧がAC8.3Vの時にフィラメント電圧はDC6.3Vとなった。整流後はDC10V出ている。AC100V換算で8V端子はAC8.2V、整流後DC9.9Vとなる。LM350Tの発熱は3.6Wと計算される。残留リプルは0.24mVだった。
続いて回路の負荷をかけた時のAC100V換算での実測の電圧を赤字で記入した。巻線DCRは260V端子が50.3Ω、100V端子が47.4Ωだった。結果は設計時より高めに出ており、260V端子はDC339V(設計331V)、100V端子はDC147V(設計131V)だった。
実測のデータを取り込んでLTspiceで回路のフィッティングを行う。電源トランスの2次タップは巻き足しがされており巻線DCRを取り込んでも合わないので、整流後の電圧に合わせて電圧源の電圧を決めた。
+Bと+B1のシミュレーション波形。
回路図を更新。R10を51kΩから75kΩに、R14を1.8kΩから3kΩに変更した。これで回路図がほぼフィッティングできたと思われる。
ちなみに電源トランスの価格は、春日無線の特注電源トランスO-BS300型の46%だった(2023年3月現在)。即ちO-BS300型1個の金額で西崎電機の特注電源トランスが2個製作可能だ。