バラックを組んだ状態で、オシロスコープの観測をしておこうと思ったんだね。NFBをかけた状態で波形が同時に上下クリップすることを確認。ここまではOKだった。
ついでに容量負荷で発振しないことを確認しておく。たぶん大丈夫だと思うけど。ところが、無帰還でSP端子のダミーロードをオフ、0.47μFを接続したら発振した。発振周波数は30kHz付近で、レベルは10Vrmsくらい。自分で使うだけならSP端子オープンで容量負荷なんて状態にはならないので問題ないが、人様のアンプだからそうはいかない。
R120の第1グリッドに発振防止抵抗1kΩを入れても変化なし。SP端子オープンでの発振なのだから、ゾベルを入れることにした。最初はゾベルを0.1μF+10Ωでやってみたが発振は止められない。
ゾベルのカットオフ周波数を下げながら容量負荷で発振しないところを探る。当初はゾベルの抵抗を増やして22Ω、72kHzまで下げたがやはり発振する。次に容量を増やして0.47μFにしたら発振しないことがわかった。容量を減らして0.22μFでは発振、0.33μFなら発振しないことを確かめた(黄色)。このときのカットオフ周波数は48kHz。
この後に、0.1μF+33Ωならカットオフ周波数が同じ48kHzなのでやってみたが、容量負荷のみでは発振した。やはり0.33μF+10Ωが良いようだ。
Analog Discoveryで周波数特性を測定。ゾベルの追加で、10kHz以上の周波数のレベルが違ってきていることがわかる。たぶん音質に影響があると思うけど、どの程度なのかはわからない。
無帰還とNFBを6dBかけた時の周波数特性。
現状の回路図を上記に示す。赤が今回追加したゾベル。
(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div)
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフする。高域が早く落ちているのでサイン波みたいな波形だ。ダミーロードがオンの状態では波形に殆ど変化が見られない。ダミーロードがオフの状態でコンデンサをつないでも発振しないことを確認。
今回はNFBを6dBかけても容量負荷で発振しないところを探ったけれど、手巻きOPTではNFBを浅くかける程度に留めておくほうが良いと思われる。そういうOPTなのではないか。