おんにょの真空管オーディオ

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古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

6922プッシュプルアンプ・改造その1

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6SN7全段差動アンプの改造結果が良かったので、他のアンプにも改造を施そうかと考えている。

 

同じような回路形式のアンプをリストアップしてみると

6922プッシュプルアンプ 

6922全段差動DCDCミニワッター 

5670Wパラプッシュプルアンプ

忘れているだけで、まだ他にもあるかもしれない。

 

トランジスタによるエミッタフォロアを入れるというコンセプトなら、シングルアンプにも適用できるはず。

となると④3A5パラシングルアンプもその範疇に入ってくる。

 

②・③・④は小さな筐体に詰め込んであるから改造は難しい。①は比較的シャーシ内が空いているから何とかなりそう。

ということを踏まえて、6922プッシュプルアンプの改造を考えてみた。

 

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現状の回路図を上記に示す。普通のDEPPアンプとなっている。これは元々6N6Pプッシュプルアンプで設計しており、たまたま6922に差し替えてみたら好印象だったので主役が交代となってしまった経緯がある。だから電源トランスの+B巻線電圧が高く、DEPPには好都合なのだが差動アンプとしてはもっと電圧が低いほうが良い。

 

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6922のEp-Ip特性に差動プッシュプルのロードラインを引いてみた。14KΩのOPTで差動はタマが直列になるからその半分の7KΩで引く。線分の真ん中らへんに動作点を取ると、どうしてもEbが低くなる。動作点はEb=135V・Ib=11mAでPp=1.485W。6922の最大プレート損失は1ユニットあたり1.5W(諸説あり)なので、これ以上電流が増やせない。電圧を下げるには+B電圧をさらに低くしなければならない。

 

だからAB級で電圧高めの動作点が取れるDEPPのほうが有利で、実際そのようにしたんだけど、差動プッシュプルでも音色のチューニング方法がわかってきたので、今回は差動プッシュプルにしてみようと思う。

 

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             (2014.12.01 真空管のピン番号誤記修正)

で、いきなり回路の変更案を上記に示す。何のことはない、6SN7全段差動アンプの電源部とタマを替えてCRパラメータをフィッティングしただけ。

 

6922プッシュプルアンプでは初段に2SK30ATMを使い、総合利得は5倍。私が製作するアンプは10倍以上のものが多く、そちらに合わせたい。初段に2SK117BLを用い、初段系電源は6SN7全段差動アンプのをそのまま持ってきた。

 

+B電圧を下げるためにR17をあえて高めにし、-C電圧を-10Vくらいにする。LM334Zは40V・400mWまで大丈夫。R13で電圧を調整するが、R14と共に現物フィッティングで156Vに調整する。発熱はR13・Q5・R17で分担しようというわけ。

 

C3とC6はブロック電解コンデンサで、デザインのために入れてあるのでそのまま利用する。R9が877Ωと半端な値なのは計算で出たものをそのまま記述しているからで、これも現物フィッティングとする。

 

オリジナルの6DJ8全段差動プッシュプル・ミニワッター2014では「MHz帯での複雑な発振が起きて凍結状態」で1年近く放置されたまま。私も現象が再現する可能性はあるけれど、こっちにはDEPPがあるもんね。回避不可能ならDEPPにしてしまえば良い。