始めに+B電源基板を組み立てることにした。電解コンデンサの向きを間違えたり、抵抗を挿し忘れてハンダ付けしたりしたが、どうにか完成。
FETは平ラグの固定ネジに共締めする。
裏側。
平ラグパターン。
追加の穴開けが終わったシャーシ。穴ぼこだらけでどこを追加したのかわからない。
パーツを取り付けた。
シャーシ内部。+B電源基板を隅に取り付けた。
ここまでできれば、後は配線とCRの取り付けとなる。
始めに+B電源基板を組み立てることにした。電解コンデンサの向きを間違えたり、抵抗を挿し忘れてハンダ付けしたりしたが、どうにか完成。
FETは平ラグの固定ネジに共締めする。
裏側。
平ラグパターン。
追加の穴開けが終わったシャーシ。穴ぼこだらけでどこを追加したのかわからない。
パーツを取り付けた。
シャーシ内部。+B電源基板を隅に取り付けた。
ここまでできれば、後は配線とCRの取り付けとなる。
CV4055シングルアンプのパーツがほぼ揃った。手持ちのパーツをかき集めたが、平ラグと立ラグだけは新規に購入した。抵抗とコンデンサは手持ち在庫と中古の構成。
トランスが全てビス・ナットで固定するタイプなので、シャーシ上にどう配置するか。平ラグパターンと、立ラグにどのようにパーツを配置するか考えておく必要がある。アタマが悪いからあらかじめ考えておかないとできない。
CV4055(6CH6)シングルアンプは「独特な艶っぽい音」「欧州系のこってりした音」という評価のようだ。でも拙CV4055シングルアンプはスッキリした音で、個人で感じ方が違うにせよ、まるで正反対のような音色になるとは思えない。そこで、回路をなるべく同じにすることで、そのような音色になるのか確かめてみたいと思う。
ただ拙CV4055シングルアンプは綺麗に作ってあり、音色も好みであることから改造するのは避けたい。キーパーツはあるので実験機として評価するのはどうか。
電源トランスはZT-03ESとJ631Wで+B電源とヒーター電源を構成する。初段は6BQ7A、出力段はCV4055(6CH6)だ。
回路はこんな感じ。CV4055にはKNFとP-G帰還がかけられているが初段は無帰還。なので初段にもかけられるようにR3を追加した。OPTは春日無線のOUT-54B57で、スクリーングリッドを5kタップにつないで3結に近いUL接続とする。+B電源にはいつものようにFETリプルフィルタを入れた。ヒータートランスJ631Wの6.3V巻線並列接続は、本来は良くないんだけど実験機なので許す。手持ちのCRパーツを使うためアンプ部の値が作例と違っているところがある。
42プッシュプルアンプを製作しようと思ったのは、42の3結でシングルアンプを作ったら自分好みの音色だったからで、それをプッシュプルにすれば出力増と低域の充実が図れるに違いないと考えた。
見積もってみると3結のA1級では3W程度の出力しか見込めないことがわかった。やはりグリッドをプラスに振ってA2級にしないと出力が取れない。そこで3極管のカソードフォロア直結でドライブしようと思った。
試作機を製作したところ、DEPPでの出力は6.5W得られた。ただ試聴を続けていくと音場の奥行きの表現に乏しいようだ。そこで出力段を差動に改造し、小容量のカソードバイパスコンデンサを付加することで、艶のある音色と優れた音場感を両立することができた。
回路図を上記に示す。初段はFETとE88CCをカスコード差動回路とし、6N1Pのカソードフォロアで42を直結ドライブする。当初DEPPだったのを改造したこともあり、出力段は差動アンプとして最適化されていないが、電源トランスで取れる+B電流の制限もあってそのままとした。
諸特性を上記に示す。出力は5W~5.5Wで拙宅では十分。NFBは8dBかけている。DFは3.5と低めだが実用上は問題ない。詳細な特性はこちら。
SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしてみるが発振には至らなかった。(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div[プローブ10:1]、20μS/div)
シャーシは株式会社奥澤のアルミシャーシ(O-40・W330mm×D220mm×H50mm・t1.5mm)を加工し、ダークグレーマイカメタリックで塗装した。
いつものようにブツ撮りをしたので掲載する。
レイアウトはオーソドックスな配置とした。左のブロック電解コンデンサはJJの黒いものを使ったほうが目立たなくてよかったのかもしれない。
アンプの音色は初段に使用しているTESLAのE88CCが支配的なんじゃないかなあ?
シャーシサイドにははざいやにカットして頂いたアクリル板をネジ止めしてある。
OPTはサンスイのH10-10で、角に丸みのあるスタイルがマッチしていると思う。古いトランスだが高域特性は素直だし、繊細な音が出せることがわかった。
シャーシ内部。MTソケット周りのフロントパネル側が込み入ってしまった。
駄耳の私による試聴では、クリアで透明度が高く、音場が奥にも展開する。低音は馬力があってスケール感に優れ、女性ボーカルにも艶が乗る。差動アンプの定位の良さや音場感、DEPPの艶やかさのいいとこ取りといった印象。
VT-62シングルアンプは電源オン後、ドライバー管の6DN7がヒートアップするまで10数秒ジーノイズが出る。VT-62のグリッドに接続されたチョークコイルがノイズを拾うと思われる。6DN7がヒートアップするとカソードフォロアにより低インピーダンスとなりノイズが出なくなると考えられる。
対策はないかと考えるうちに数年経ってしまった。確実なのはSP端子にパワーオンディレイでリレーを入れることなのだろうが、今回+Bをパワーオンディレイする方法を思いついた。
実験回路図を上記に示す。電源オンするとC4に充電電流が流れ、M2のゲートがハイレベルとなりオンする。充電電流が減っていくとM2のゲートがローレベルとなりオフする。オンの間はLEDが点灯、オフで消灯する。
YouTubeで実験のようすを撮ってみた。LEDは左下で、電源オンした時の残留ノイズは約3mV。6DN7がヒートアップするとノイズレベルが0.5mV程度まで下がる。その後にLEDが消灯する。
6DN7の電力増幅3極管はヒートアップするのが遅く、14秒くらいかかる。そこでC4を10μFから13.3μFに増やした。
シミュレーション結果。Voutは約15秒後から立ち上がっている。VinがR1で15秒ショートされるので発熱する。発熱量は5.4W。
再びYouTubeで実験。電源オン後の残留ノイズは約1mV、約15秒後に+Bが立ち上がる。DMMは+B電圧を測定。
パワーオンディレイ回路を組み込んだシャーシ内部(中央上)。
回路図を上記に示す。赤の部分が今回変更した箇所。
実際に使用してみると、約15秒後に一瞬ジーと小さい音が出るものの、殆ど無音になった。まあこの程度でOKとしよう。
42プッシュプルアンプの音はワイドでクリア。でももうすこしボーカルに潤いが欲しいかな、ということで、カソードバイパスコンデンサを増量した。また、リプルフィルタの抵抗両端の電圧が7Vだと、AC100Vが低下した時にリプルが出てしまうかも、と思って抵抗値を元に戻した。
実測の電圧を赤字で示す。C3は0.01μFから0.022μF、R24は13kΩから27kΩとし、両端の電圧は10Vとなった。AC100Vが実測100Vだと電源系の電圧が設計よりすこし低め。
これで回路的にはフィックスかな、ということで、備忘録のため特性を再測定した。出力は5.0W~5.5Wと前回より低下した。+Bの電圧が8V下がったせいだろうか。
周波数特性は変化なし。
クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-74dB以下。
Lchの歪率特性。出力が大きい領域で10kHzの歪率が良いのはDEPPの影響。カソードバイパスコンデンサは10kHzで723Ωのインピーダンスとなり、無視できなくなる。
Rchの歪率特性。小出力で110Hzの歪率が悪めなのはOPTによるものか、それとも42のマッチングによるものか。
もうこれでフィックスしようかと試聴を続けている。低音に馬力があり、クリアかつ女性ボーカルが美しい。音場は優れており決して平板にならない。
42プッシュプルアンプ本番機の配線チェックをする。先日見つけた42のカソードと第一グリッドを逆に接続した以外、ハンダ不良や誤接続は無し。
真空管を挿して電源をオン、+Bや42のカソード電圧を始め各部の電圧を測定。とりあえず大丈夫そう。DMMをACレンジにしてSP端子につなぎ、RCA端子に指を触れて電圧が上昇するのを確認。動作一発OKだ。
各部の電圧を測定。+Bが試作機より5V程度高くなったのは、C11のリーク電流を想定してR24を27kΩから13kΩにしたため。ここまで抵抗値を減らす必要はなかったかもしれない。
諸特性を測定。試作機と比べて変わったのは10kHzの歪率5%での出力で、42のカソードバイパスコンデンサを0.1μFから0.01μFに変更することで他の周波数での出力と変わらなくなった。
周波数特性。試作機と同じで高域が素直に落ちていっている。
クロストーク特性。R→Lの高域がL→Rに比べて悪めだが、20Hz~20kHzでは-74dB以下となっている。
Lchの歪率特性。10kHzのカーブが他の周波数でのカーブと揃っている。歪率5%での出力は5.8W。
Rchの歪率特性。小出力での110Hzのカーブが悪めだが、おそらくDCバランスを調整することで改善されると思う。歪率5%での出力は5.3W。
42は無選別でDCバランスを合わせているだけなので、選別すれば変わってくる可能性がある(特にRch)。
特性を測定した限りにおいては特に問題はなかった。
42プッシュプルアンプ本番機の配線を始めた。まずAC1次配線を済ませて電源を投入し、電源トランスの電圧を確認。続いてヒーター配線を済ませる。回路図とピン番号を一致させているので、なにげに難しい。意味はないけど。
配線はまだ始まったばかり。
真空管を挿して点灯式。ヒーター電圧は6.3V~6.4Vだった。
+B電源回路の配線をして、CRや半導体を取り付ける。-C電源基板と-C1電源基板を取り付けて配線する。ダミーロードを取り付けて電圧を確認した。結果は問題なし。
ソケット周りの配線を進める。なかなか進まない。
電圧増幅段の立ラグを取り付けて配線する。立ラグは試作機からCRを取り付けたものを流用した。これは平ラグを取り付ける前の状態。
平ラグはつなぐ配線を全部揃えておいて一気にハンダ付けする。配線に漏れがあると面倒なことになる。今回は大丈夫だった。あとCRを14個取り付けて、入力のシールド線を作れば配線は全て完了のはず。
全ての配線とCR取り付けが完了。じつは42のグリッド(G1)とカソードの配線を逆にしてしまったのに気づき、配線が長くなるほうの修正だったので大変だった。今後は配線チェックを行い、動作確認に移る。
シャーシと裏蓋の塗装が乾いたので磨きを行う。浴室で#2000のペーパーで水研ぎをして塗装面に付いたゴミを落とす。
水研ぎが終わったシャーシと裏蓋。角を磨かないように注意した。
コンパウンドの粗目→細目→極細の順に縦横の直線で磨く。ひたすら磨く。疲れるので両手で交互に磨く。
3時間磨いたらこんな程度になった。写り込んでいるのは天井灯。裏蓋は塗装ムラがあるが、普段見えないところなので構わない。
ツヤ出しはもっぱら自己満足のためにやっているが、他にやっている人を見かけない。疲れるし面倒だからなのか。
42プッシュプルアンプのシャーシと裏蓋、OPTを塗装した。
リューターにつけたペーパーコーンで溶接跡とバリを削った。下地処理をしておくと塗装で厚化粧せずに済む。
縦横斜めにペーパーで水研ぎをして傷をつけた後、塗装しないところに広告紙を貼り付けた。塗装は下地にプラサフを2回、本塗装にいつものダークグレーマイカメタリックを2回、上地にクリアを3回スプレーした。合間に赤外線ストーブで塗料の揮発成分を飛ばす。このへん画像なし。
広告紙を剥がして塗装完了。
OPTとブロック電解コンデンサの固定バンドを塗装する。OPTには凹みがあったのでパテで補修後、傷にペーパーをかけた。塗装は下地にプラサフ、上地にマットのブラックをスプレーした。
高温乾燥しているところ。OPTはピッチが充填されているので控えめにした。
これで塗装工程は完了。
ブログの引っ越しが済んでようやく時間が取れたので、42プッシュプルアンプのシャーシ加工をスタート。シャーシに穴開け図を貼り付けて罫書き、オートポンチでマーキングする。電源トランスの角穴はコッピングソーで開けた。騒音が出るが短時間で済ませる。
電源トランスとACインレット、ロッカースイッチの穴が開いたところ。これで角穴はおしまい。
大きな丸穴はサークルカッターで開けた。直径31mmでも40mmでも21mmでも穴開け自在。終売がつくづく惜しい。
あとは小さな丸穴だけなのでボコボコ開けていって終了。
反対側から見たところ。電源トランスPMC-140HGの角穴は52mm×62mmの指定になっているけど、端子がつかえて入らなかった。長辺は62mmではなくて64mm必要。
裏蓋。横山テクノのカットサービスを利用したので、丸穴を開けるだけで済んだ。
体力がないと工具を使っても疲れて仕方ない。これで金属加工は全て済んだので仮組み後、塗装工程に入る。