おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

4P1Lシングルアンプ・仮組み

4P1Lシングルアンプ本番機を仮組みし、パーツの干渉や接近し過ぎているところがないことを確認する。

順調に組み上がったので、真空管を挿して外観チェック。

C3oが前進している。

スピーカー端子がでかいというか、アンプが小さいため相対的に大きく見える。

後ろから。

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シャーシ内部。パーツの干渉や接近し過ぎているところはない。

 

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SP端子周りは空いていて問題ない。

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電源トランスのボルトが長すぎてボックスドライバーが届かないので、ナットレンチで締めるしかない。ボリュームとか初段の立ラグがシャーシの奥にあってやりにくそう。

とりあえず問題ないことを確認した。

 

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本番機の実体図もどきを作成。ソケットを45度回転させたら左チャンネルの4P1L周りのCRがうまく接続できない。カップリングコンデンサ0.33μFはC3oのソケットピンに直付けだが、そんなに温まらないだろうと予想。

4P1Lシングルアンプ・シャーシ加工

全くもって金太郎飴的な記事なのだが備忘録だからね。4P1Lシングルアンプ本番機のシャーシ加工を始めた。

印刷した穴開け図をカットしシャーシに貼り付けて定規とカッターで罫書く。十字の中央をオートポンチでマーキング。ルーペで見てずれていたら斜めにオートポンチを打って中央にくるようにしている。

穴加工は電源トランスの角穴から始めた。ステップドリルでつながった丸穴を2個開け、コッピングソーの刃を通して一周カットする。騒音が出るが、厚さ1mmのアルミなので進みが早い。カットできたら平ヤスリで端面を整えた。

ロッカースイッチとACインレットの角穴は、丸穴を複数開けてヤスリで削る。ACインレットの穴は角Rの仕様なので難しい。4隅を丸ヤスリで開けておき、4辺を削るようにする。ロッカースイッチは13mm×19.2mmにノギスで測りながら開けた。薄いアルミだとつい削りすぎて大きめの穴になってしまう。

サークルカッターで26mm径の丸穴を開けているところ。摺動部のグリスアップを忘れずに。

前後面、側面、上部の大穴が開いた。後はペンで記した小さな丸穴を開けるだけ。

反対側から見たところ。ペンで丸穴を描いているのは、間違った径で穴を開けないため。

穴はドリルの1.5mmでまず開け、2.5mmで広げ、ずれていたら丸ヤスリで修正、3.2mmで広げ、OPTのボルト穴を4.5mmで開けた。4P1Lの放熱穴とOPTの配線穴は、ドリルスタンドのレバーが下がりきった時にステップドリルの6mmで開けられるように調整。これで何も考えずに6mm径の穴が開けられる。

バリ取りが済み、穴開けの終わったシャーシ。

反対側から見たところ。

道具を揃えて省力化をしているにも関わらず、作業を終えると疲労困憊状態になる。それは老化による体力の低下によるもので、1mm厚のアルミなんか穴開け簡単という人は体力があるからだ。歳取った体力のないジジイにはやはり辛い。

4P1Lシングルアンプ・レイアウト設計

4P1Lシングルアンプ本番機のレイアウト設計を始めた。試作機の幅300mmでは大きすぎると思ったので、株式会社奥澤のアルミシャーシ、O-27(W250mm×D150mm×H40mm t1.0mm)でレイアウトを行うことにした。

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当初は実験機のレイアウトをそのまま縮めようとしたのだが、OPTと電源トランスがくっついてしまった。電源トランスを90度回転させれば入ると思うけどデザイン的に嫌。シャーシの両サイドは側面の折りが10mmあり、そこに穴を開けると2枚の間にバリが出て膨らむのでダメ。

 

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OPTを90度回転させることにしてレイアウトし直した。試作機でOPTを回転させてみたが残留ノイズに変化はなかった。電源トランスとC3oの間に電源部の平ラグを置いたのでC3oが前進している。

 

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電源部の平ラグを5P×2で構成することにしてレイアウトを変更してみた。真空管がインラインに並び、立ラグの周りも空いている。

というわけで、C3oの前進案とインライン案で検討を進めている状況だ。なおC3oが4P1Lよりわずかに背が低いので、C3oを前進させても問題ないと思う。

現状の試作機はC3oにヒーターバイアスをかけているが、フローティング及びヒーターをGNDに接続してみても残留ノイズに変化は殆どない。ただ後々真空管を交換することを考えて、保険でヒーターバイアスをかけておいたほうが良いと思う。

4P1Lは3端子レギュレータの出力へ直列に2.4Ωを入れているが、2.4Ωと並列の68Ωを外したところフィラメント電圧は4.19Vと4.23Vだった。これなら68Ωを入れなくても良いだろう。

レイアウト図を印刷し、パーツを並べてみた。これはC3oの前進案。

 

真空管のインライン案。あまり違わないというか、前進案で良い感じ。

 

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穴開け図を作成。4P1Lの放熱穴が一部ソケットのフランジで塞がれていたので、10穴を8穴に変更した。その他、微調整。

 

連休中に穴開け加工をガリゴリやるのは、近所の人も家に居るだろうから気が引ける。コッピングソーを使う15分間だけ我慢してもらうか。

 

4P1Lシングルアンプ・比較試聴

4P1Lシングルアンプ試作機の電圧増幅管をEF42からC3oに戻した。そこで4P1Lシングルアンプ2号機との比較試聴をやってみた。

試聴のやりかたは一方のアンプで数曲聴いた後にもう一方のアンプを聴く。これを繰り返す。どちらも利得はほぼ同じでダンピングファクタも4.4と4.5で誤差の範囲。周波数特性は4P1Lシングルアンプ2号機のほうが高低域が伸びている。

C3oに戻した4P1Lシングルアンプ試作機。試聴は2号機と同じ3結にした。

4P1Lシングルアンプ2号機。

回路的には電圧増幅段が半導体(2号機)と5極管(試作機)、半導体は直結で5極管のほうはカップリングコンデンサを介している。半導体の音と真空管の音を聴き比べていると言っていい。ただOPTが異なるため、違いがわかる良耳をお持ちの方は聴き分けるのだろうね。

私は駄耳なので音の違いを明確に聴き分けることができない。ただ、聴いていて印象の違いを感じることはあった。それは2号機が明瞭な音色なのに対し、試作機のほうは優しい音色といったふう。ただ二重盲検などと大げさなことはできないのは当然だ。

結果的には優劣をつけることができず、両方良いとなった。依頼者様に両方のアンプを聴いて頂くしかない。

アンプ測定治具の改修

これは2011年に製作したアンプ測定治具だ。以来ずっと13年間使い続けてきたが、最近スイッチにチャタリング接触抵抗の増加があるようで、調子がよくない。そのためスイッチを交換することにした。

反対側から見たところ。

もともとトグルスイッチは電源のオンオフを想定しており、信号のオンオフなどの小電流には不向きだ。以前にもスイッチを交換したことがあったのだが、また調子が悪くなってきた。なおロータリースイッチは接点が摺動する際に磨かれるため、トラブルが発生しにくい。

回路はこんなふうになっている。SW1とSW2が今回交換するスイッチ。

交換前の治具の内部。

交換後の内部。

スイッチ部分の拡大。

これでまた5年くらいは使えるかなあ。

4P1Lシングルアンプ・EF42での備忘録

4P1Lシングルアンプ試作機にEF42を使うためにソケットプレートを作成した。なお、EF42はリムロック管でソケットが特殊。当初はソケットプレートをシャーシ内に入れようと思ったが、ネジのナットがどうしても嵌まらずシャーシから外へ出して固定した。

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EF42用の回路に変更し、実測の電圧を赤字で記入した。ほぼ設計どおり。NFB抵抗R9はC3oと同じ2kΩとした。

EF42は外部からの誘導を受けやすく、手を近づけただけで残留ノイズが変化してしまう。そこでアルミホイルでEF42を覆ってシャーシに接地してみた。

諸特性を測定。残留ノイズはRchが0.8mVあってNFBをかけても減らなかった。EF42は利得が多く、NFB量も6.4dB~6.5dBとなった。高域-3dB点の周波数はC3oより伸びて116kHz~119kHz。1kHzでの歪率5%での出力は2.1W~2.2WとC3oと変わらなかった。

Lchの周波数特性。高域が伸びているのはNFB量が増えたため。

Rchの周波数特性。Lchとほぼ同じ。

クロストーク特性。残留ノイズに差があり、曲線が重ならない。20Hz~20kHzでは-61dB以下だった。

 

Lchの歪率特性。残留ノイズが多めのため三日月の形になった。あまり歪みの打ち消しは起きていない。

 

Rchの歪率特性。各周波数の曲線が重なっている。

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[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。

3階自室で試聴。EF42採用の場合、リムロック管のソケットのシールドケースは私には入手困難なので、依頼者様でご用意頂くか、誘導を気にせず聴いて頂くしかない。

アルミホイルを外してスピーカーに耳を近づけてみるとわずかにブーンと鳴っているけどリスニングポジションでは全く聞こえない。

C3oでは音楽を流していて、いいなと感じることがあったのだが、EF42では4P1Lの音色が活かされているようには思えない。女性ボーカルの子音が耳につく乾いたサウンドという印象。3結にしてみたけど印象は変わらず。エージングが必要なのだろうか。単に音に自分の耳が慣れていないせいか。

 

4P1Lシングルアンプ・C3oでの備忘録

回路がほぼフィックスしたので、電圧増幅段をC3oとした時の試作機データを備忘録に残しておくことにした。

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試作機の回路図を上記に示す。赤字はUL接続での実測の電圧を記入した。

今回の回路変更の内訳。FETリプルフィルタの抵抗R10を100kΩから68kΩに変更。これは+B電圧を数V上げて設計に近くなるようにした。また、4P1Lのカソード抵抗R6を720Ωから680Ωに変更。これも同様の理由。さらにNFB抵抗R9を2.2kΩから2kΩにして、UL接続でのNFB量を6dBとした。

試作機を4P1Lの3結とUL接続で交互に試聴したら、私には聴き分けできなかったので、出力の大きいUL接続でいくことにした。音質的には十分に思う。

諸特性を上記に示す。NFB量を6dBとすることで高域-3dB点の周波数は100kHzまで伸びた。1kHzにおける歪率5%での出力は2.1W~2.2W。DFは4.4だった。バラックでは5.0だったが、値が低くなった原因は不明。残留ノイズはRchが多めで0.3mV。

Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。

Rchの周波数特性。

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは20Hzがリミットして-65dB以下となった。

Lchの歪率特性。最低歪率は1kHzと10kHzが0.06%。

Rchの歪率特性。最低歪率は1kHzと10kHzが0.09%だった。残留ノイズが減れば、Lchと同様になると思われる。

 

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[10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div]

 

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフしても発振しないことを確認。


今後はC3oからEF42に替えて特性の測定及び試聴を行う予定。

4P1Lシングルアンプ・動作確認と特性測定

配線チェックを行った後、真空管を挿して電源オン、各部の電圧を確認。全体に低め。簡単に特性をチェックした後にたまたまクロストークを調べたところ、1kHzで-50dBしかない。通常は-70dB弱。周波数によらず他チャンネルへ信号が漏れてしまっているようだ。

これはGNDの共通インピーダンスではなく回路的にクロストークが生じているらしいので、試しに片チャンネルのC3oへの電源にデカップリングを入れたところ改善することがわかった。値は20kΩと10μFとした。

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回路図に実測の電圧を赤字で記入した。電圧は4P1Lの3結で測定している。R15とC14が新たに入れたデカップリング。

Analog DiscoveryによるLchの3結の周波数特性。NFB抵抗は2.2kΩとした。

Rchの3結の周波数特性。

LchのUL接続の周波数特性。3結に比べ利得が増え、高域へ帯域が移動した。160kHz付近に段差が現れた。

RchのUL接続の周波数特性。

3結の諸特性。残留ノイズが測るたびに違うので、まあこんな程度という値。バラックに比べ利得が減ったせいでNFB量も4dB程度になった。

UL接続の諸特性。3結に比べ利得が増え、出力も増えた。DFはすこし低下。

4P1Lのプレート電流を増やし、NFB抵抗をもっと低い値にすれば良いと思う。

3結のクロストーク特性。20Hz~20kHzでは20Hzがリミットして-65dB以下となった。デカップリング容量の値を増やせば改善すると思われるが、電源オフでデカップリング容量から電流が逆流して+Bが下がりにくくなるのが問題となる。

Lchの3結の歪率特性。1kHzと10kHzに少しだけ歪み打ち消しがかかっている。

Rchの3結の歪率特性。歪み打ち消しがかからないと3本の曲線が重なる。

LchのUL接続の歪率特性。1kHzと10kHzに強い歪み打ち消しがかかっている。

RchのUL接続の歪率特性。Lchと同様だった。

特性的には大丈夫そうなので、3階自室で聴いてみた。3結とUL接続の音色の違いは、駄耳の私では聴き分けできそうにない(わからない)。おそらくC3oの音色が支配的なのだろう。スケール感に優れ、キラリと澄み切った高音が感じられる。

ところで、OPTのU-608は1次側の端子が上にあって不用意に触ると感電してしまう。配線も目立つ。端子に熱収縮チューブを被せればいちおう感電しなくなるが、配線しない端子のチューブが抜けるかもしれない。チューブを接着剤でくっつけるか。

4P1Lシングルアンプ・試作機の配線とCR取り付け

外装パーツがついたので、いつものようにAC1次配線から始めた。試作機であるが、本番機と同じようなやりかたで進める。電源トランスの電圧を確認。

ロクタルソケットのセンターピンをアースする。ところがソケットのフランジが導通しないことがわかった。立ラグとフランジの間に菊ワッシャを入れて解決。

フランジは金色に見えるけど塗装なのか?それともアルマイトのようなメッキ?

C3oのヒーター配線、4P1Lのフィラメント配線をする。C3oはヒーター電圧6.1Vと低い。4P1Lは4.20Vと4.23Vだった。

点灯式。とはいっても見えるのはロッカースイッチの点灯だけ。

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シャーシ内部。

+B電源基板に配線して電圧を確認する。ダミー抵抗は4.5kΩとした。+B電圧はAC100V換算で230Vだった。すこし低め。

配線とCR取り付けを行う。CRは本番機で再利用するため、リードをなるべくカットしない。

入力初段の立ラグは、外してCRと配線を取り付けた。同様に出力段カソードCRも外して行った。

目の疲れが半端ないので、すこし作業しては別のことをやっての繰り返し。

チマチマ配線とCR取り付けを進めて、入力のシールド線を除く配線とCR取り付けが完了。

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入力のシールド線はカナレのGS-4を使った。電源トランスから遠いので、こんなにシールドが網で密なものを使わなくても良いのだが、横巻きのシールド線を買ってないしこれにした。

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CRのリードが長いので、触った時にずれて他のに接触しないように注意する必要がある。

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さて、配線チェック後に動作確認を行う予定。

4P1Lシングルアンプ・試作機の組立開始

4P1Lシングルアンプ試作機の組み立てを始めた。試作機のシャーシは解体した6T9 CSPPアンプを再利用する。真空管ソケット穴が4個開いているし、平ラグとOPTの固定穴を追加工するだけで済んだ。

電源トランスは以前作った固定プレートを使ったが、思いがけないところで干渉してナット1個ぶん浮かせてある。本当はシャーシ内にプレートを取り付けようとしたのだが、今度は+B電源部のMOSFETと干渉した。

反対側から見たところ。

 

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シャーシ内部。緑色のスイッチはUL接続と3結の切り替え用。

 

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反対側から見たところ。

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私は頭の中で実体図を描けないので、試作機用の実体図もどきを作成。今回はC3oが先になる。

間違ったり抜けがないといいなあ。入力のボリュームは面倒なので省略した。代わりに51kΩの抵抗を付けることにした。

4P1Lシングルアンプ・平ラグ作成

4P1Lシングルアンプ試作機は、電源部に平ラグを使う。理由はそのまま本番機に流用可能だから。なお、アンプ部は立ラグで組もうと思う。

+B電源部の回路図。平ラグにヒーターバイアス回路を乗せてしまうことにした。EF42にヒーターバイアスをかけて電圧を変えていくと、高いほうが残留ノイズが少なくなることがわかった。ただ50Vを超えると電解コンデンサの種類が限られるため、バイアス電圧を41Vとした。

+B電源部の平ラグパターン。なぜ47μF350Vを2個並列にしているかというと、本番機のシャーシ高さは40mmを予定しているため、コンデンサの背が高いと裏蓋から飛び出してしまうから。このコンデンサはΦ16mm×H25mm。

組み上がった+B電源部。

FETの2SK3234は平ラグの固定スペーサーに共締めしてシャーシに放熱させる。膨らんでいるのはゲートの発振防止抵抗1kΩ。黄色い線のハンダ付けが外れそうになって見えるのは撮影角度によるもので、ちゃんと付いている。


フィラメント電源の回路図。3端子レギュレータのVin・Vout近傍に必ずコンデンサを接続しなさいとデータシートに書かれていたのを思い出し、C11とR12の順番を逆にした。

フィラメント電源の平ラグパターン。

組み上がったフィラメント電源。

3端子レギュレータTA4805Sは平ラグの固定スペーサーに共締めしてシャーシに放熱させる。

 

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バラック実験中のゴチャゴチャ。中央のセメント抵抗は、片チャンネル分の+B電流を負担している。


バラックにフィラメント電源を取り付けてテストしたところ、電圧が設計の4.2Vに対し実測4.17Vとすこし低めに出たため、2.4Ωに68Ωを並列にしたら4.20Vになった。だからR12は2.4//68=2.32Ωということになるが、私のテスターでは低抵抗が正確に測れないため、真の値かどうかはわからない。4P1Lのフィラメント電流は325mAの仕様だが、実際にはバラつくのであまり気にする必要はない。

さらに+B電源の平ラグを取り付けてテストしたが、残留ノイズが4~10mVと非常に多い。原因不明のまま、たまたま電源コンセントの向きを逆にしたら0.18mVとなぜか急に低くなった。バラックのせいもあるが、電源トランスの1次~2次間静電容量か何かが影響しているのかな?

 

4P1Lシングルアンプ・特注電源トランス

西崎電機に特注した電源トランスが届いた。発注してから4日、超スピード製作であった。どうもありがとうございます。

依頼内容は以下のとおり。
--------------------------------------------------
西崎電機様
いつもお世話になっております。

伏せ型電源トランス(上下カバー付き)の見積もりをお願いします。

1次 0-100V 50/60Hz

2次
0-200V 0.1A 20VA
0-6.3V 0.8A 5.04VA
0-6.3V 0.8A 5.04VA
0-6.3V 0.8A 5.04VA
------------------
計 35.12VA

端子数:10
片側で6個の端子が並ばなければ、どれか1つを振り分けて5個と5個にしてしまって構いません。

希望個数:1個
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届いた電源トランス。果たして1組の6.3V端子が上下に割り振られているのがわかるだろうか。サイズ W80mm×D68mm×H56mm(シャーシ上)、ビス間 65mm×52mm (M3)、重量 1180g。

無負荷でテスト。電圧は高めに出ているが、負荷をかけたらどの程度になるかわからない。

一番気になる4P1Lのフィラメント電源でテストしてみた。電源トランスの他の巻線が無負荷なので、もう少し電圧が低くなると思う。

オシロ波形。今回はTA4805SのVinとVoutの波形を観測。Vinのリプルを除いたVoutの入出力間電圧差は1.8Vとなり、最小入出力間電圧差
のmax0.5Vに対し余裕があるので大丈夫と思われる。

200V巻線は出たとこ勝負で良いので、何とかなるだろう。

4P1Lシングルアンプ・回路図作成

4P1Lシングルアンプの進捗。EF42のヒーターを4P1Lとは別の電源トランスから供給し、ヒーターをGNDに、或いはDC42Vのバイアスをかけるなどの実験をしたが、残留ノイズは1mV~3mVであまり変わらなかった。原因はよくわからない。ただ100Hzの歪率を測ろうとするとオーディオアナライザの針がゆらゆらするのはヒーターハムを引いているため(当地は50Hz)。どうもEF42で残留ノイズを低く抑えるのは難しい気がしてきた。

 

電圧増幅管をC3oで回路図を作成。4P1Lの3結とUL接続をスイッチで切り替えるようにしてみた。NFB抵抗R9は2.2kΩより低くするかもしれない。C3oのヒーターはGNDに接続している。

 

電圧増幅管をEF42で回路図を作成。初段周りの抵抗値がC3oと異なり、NFB抵抗も変えている。とりあえずヒーターはGNDに接続。

試作機を製作するにあたり、C3oとEF42をスイッチで切り替えるなんてことは私には無理で、C3oでしばらく聴いた後にEF42に入れ替える予定。

EF42のソケットを固定するためにソケットプレートを作り、初段周りの配線やCRを変更する。どうしても時間が空くので比較試聴にはならず、どっちが好みの音だったかを記憶の中で比較するしかない。

西崎電機へ電源トランスを発注した。こんな感じでメールを送った。
------------------------------------
西崎電機様
いつもお世話になっております。

伏せ型電源トランス(上下カバー付き)の見積もりを
お願いします。

1次 0-100V 50/60Hz

2次
0-200V 0.1A 20VA
0-6.3V 0.8A 5.04VA
0-6.3V 0.8A 5.04VA
0-6.3V 0.8A 5.04VA
------------------
計 35.12VA

端子数:10
片側で6個の端子が並ばなければ、どれか1つを振り分けて
5個と5個にしてしまって構いません。

希望個数:1個
------------------------------------

電源トランスの端子は一辺に5個までで、詰めると6個並ぶかは未確認。1つの巻線が2辺に泣き別れになってしまっても構わない。

4P1Lシングルアンプ・フィラメント点火実験

4P1Lシングルアンプ1号機の内部を見ていたら、ダイオードブリッジW04Gの足が黒く変色している。気になるので手持ちのAM1510に変更して点火実験を行ったところ、AC6.6V入力で入出力電位差が2.47Vだった。これでは入力のリプルがそのまま出てしまうと考えてSBDのSB340LSのブリッジ整流に変更することにした。

4P1Lのフィラメントは直列で4.2V325mAなので、LDOの3端子レギュレータが使える。それならTA4805SでDC点火したらどうか。

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点火実験中のぐちゃぐちゃ。

回路はこんなふう。赤字で実測の電圧を記入した。

オシロで波形観測。黄色がTA4805Sの入力電圧で、ピンクが4P1Lのフィラメント電圧。TA4805Sの出力電圧は実測4.97Vで抵抗R2による降圧は0.77Vとなり、2-0.77=1.23VがTA4805Sのリプルを含まない入出力電圧となる。カタログスペックの最低0.5Vに対し十分な入出力電圧を確保しているので大丈夫だろう。

なお、残留リプルは0.24mVだった。

なんで入出力電圧を気にするのかというと、電源トランスを西崎電機に特注すると2次電圧が低めになる傾向があり、実際そうなったとしても最低入出力電圧を割りたくないから。

4P1Lシングルアンプ・バラック実験その3

今度はC3oに代えて依頼者提供のEF42で実験することにした。

EF42はプレート電流が流れにくく、カソード抵抗R1を1kΩにした。利得が多すぎるのでプレート抵抗R3を51kΩとした。C3oではNFB量を6dBのつもりが5dBで測定してしまったので、NFB量が6dBになる抵抗値R9を探ったら1.5kΩとなったので、これでやることにする。また、NFBをかけて周波数特性を測定したら10Hz前後に小ピークが生じたので、カップリングコンデンサC3を0.1μFから0.33μFとした。

実測の電圧を赤字で記入した。

まず最初は4P1Lの3結で特性を調べた。EF42のプレート抵抗を下げたためか高域が伸びた。DFは8.3まで増えた。残留ノイズはNFB後で0.6mV前後と多い。

EF42はまじめにヒーターハム対策をしてませんといった様相で、無帰還での残留ノイズが1mV以上あった。低減するためには電源トランスのヒーター巻線を別にしてGNDに接続するか、ヒーターバイアスをかける必要がある。今回は4P1Lのフィラメント電源とEF42のヒーター電源を電源トランスの6.3V端子で共用している。

NFB有り無しの周波数特性。高域と低域で曲線が重ならないが、2度測定しても同じだった。

歪率特性。100Hzだとオーディオアナライザの針がゆらゆらして測定できないので110Hzとした。各周波数で曲線が揃っている。特に110Hzの歪率が下がったのがその理由。

次に4P1Lのg2をプレートからOPTの2.5kタップにつないだUL接続で特性を調べた。

 

残留ノイズは0.6mV前後。出力が3結に比べて増えた。DFは7.1まで下がったが十分。

周波数特性。160kHzあたりに小さな段差がある。

歪率特性。1kHzと10kHzに歪み打ち消しが起きているようだ。110Hzは変わらなかった。

オシロで10kHzの方形波を観測しながらSP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサを接続し、ダミーロードをオンオフしてみたが、発振する様子は無かった。

もしEF42を使うのならヒータートランスを追加するか、ヒーター巻線を3つにした電源トランスを特注する必要がある。