配線チェックを行った後、真空管を挿して電源オン、各部の電圧を確認。全体に低め。簡単に特性をチェックした後にたまたまクロストークを調べたところ、1kHzで-50dBしかない。通常は-70dB弱。周波数によらず他チャンネルへ信号が漏れてしまっているようだ。
これはGNDの共通インピーダンスではなく回路的にクロストークが生じているらしいので、試しに片チャンネルのC3oへの電源にデカップリングを入れたところ改善することがわかった。値は20kΩと10μFとした。
回路図に実測の電圧を赤字で記入した。電圧は4P1Lの3結で測定している。R15とC14が新たに入れたデカップリング。
Analog DiscoveryによるLchの3結の周波数特性。NFB抵抗は2.2kΩとした。
Rchの3結の周波数特性。
LchのUL接続の周波数特性。3結に比べ利得が増え、高域へ帯域が移動した。160kHz付近に段差が現れた。
RchのUL接続の周波数特性。
3結の諸特性。残留ノイズが測るたびに違うので、まあこんな程度という値。バラックに比べ利得が減ったせいでNFB量も4dB程度になった。
UL接続の諸特性。3結に比べ利得が増え、出力も増えた。DFはすこし低下。
4P1Lのプレート電流を増やし、NFB抵抗をもっと低い値にすれば良いと思う。
3結のクロストーク特性。20Hz~20kHzでは20Hzがリミットして-65dB以下となった。デカップリング容量の値を増やせば改善すると思われるが、電源オフでデカップリング容量から電流が逆流して+Bが下がりにくくなるのが問題となる。
Lchの3結の歪率特性。1kHzと10kHzに少しだけ歪み打ち消しがかかっている。
Rchの3結の歪率特性。歪み打ち消しがかからないと3本の曲線が重なる。
LchのUL接続の歪率特性。1kHzと10kHzに強い歪み打ち消しがかかっている。
RchのUL接続の歪率特性。Lchと同様だった。
特性的には大丈夫そうなので、3階自室で聴いてみた。3結とUL接続の音色の違いは、駄耳の私では聴き分けできそうにない(わからない)。おそらくC3oの音色が支配的なのだろう。スケール感に優れ、キラリと澄み切った高音が感じられる。
ところで、OPTのU-608は1次側の端子が上にあって不用意に触ると感電してしまう。配線も目立つ。端子に熱収縮チューブを被せればいちおう感電しなくなるが、配線しない端子のチューブが抜けるかもしれない。チューブを接着剤でくっつけるか。