おんにょの真空管オーディオ

おんにょの真空管オーディオ

古(いにしえ)の真空管を使った好音質のアンプで音楽を聴きましょう。(お約束事) 追試は歓迎しますが自己責任でお願いします。

12B4Aシングルアンプ・組立~配線~CR取り付け

12B4Aシングルアンプの組み立てを始めた。

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パーツが勢ぞろいしたところで記念撮影。12B4Aシングルアンプキット(基板組立済)。

組み立ては仮組みで確認しているから順調に進み、パーツが全て取り付いた。ロッカースイッチのガタは無かったが、使用していると出てくるかもしれない。

反対側から見たところ。

シャーシ内部。

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実体図もどきを再掲。

配線はAC1次配線(白)から始めた。終了したら電源をオンしてネオンランプが点灯すること、電源トランスの電圧を確認。配線は動かないようにボンドで固定した。

次はヒーター配線(青)。12B4Aと6AN8Aの1本ずつでは6.3V1.05Aなので、配線は電源トランス側をAWG22に、末端をAWG24にした。AWG22の配線が足らなくなり、水色っぽい配線を混ぜてしまった。

この状態で真空管を挿して点灯式。AC101.5Vでヒーター電圧は6.3V弱だった。6.0Vより低くなれば問題だが、大丈夫だろう。

+B電源回路に配線し、+Bに3.7kΩのダミー抵抗を取り付けて+B電圧を確認する。AC103.1Vで+Bは207Vとなり、AC100V換算で200.8Vとなるので設計の200Vにほぼ一致した。

OPTの配線のぐるぐる巻きが気になるので先に処理する。配線は余りをトランスケースの中に押し込んでいるので、短くカットはしない。1次側と2次側を配線し、NFB配線とゾベルCRも取り付けてしまう。

+B電源のダイオードとSP端子が近いのが気になる。ダイオードのスイッチングノイズを拾わないといいが。最悪平ラグを逆に取り付け直すのが良いが、今度は6AN8Aの初段側にダイオードが近づいてしまう。

GND母線をボリューム近傍に設けた。AWG20の配線の被覆を剥き、ハンダメッキしたものを使っている。シャーシの奥まったところにあるので、GND配線が取り付けにくい。

配線は長めにカットした後に被覆を剥いて予備ハンダ、取り付けて丁度良い長さにカット、被覆を剥いて予備ハンダ、最後にハンダ付けというふうにやっているので時間がかかる。CRのリードを端子にハンダ付けするところは配線のハンダ付けをしていない。+Bの配線(茶色)があちこちに行っていて、配線を追加していったので面倒だった。

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後は入力のシールド線とボリューム~6AN8Aグリッドの配線、CRを24個取り付けるところまで来た。

 

CRを取り付ける前にシールド線を作成しておくことにする。網線をほぐすと切れたのがバラバラ散らばるのは勘弁してほしい。後々ショート事故につながるからだ。

 

次にCRを24個取り付けていく。リードをフォーミングしたら末端を予備ハンダしておく。これはハンダ不良による不具合を防止するため。ボリュームから6AN8Aのグリッドへ行く配線をしたら、最後にシールド線をハンダ付けする。

 

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これで組立完了。

 

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普通なら完成の喜びに浸るわけだけど、多くのアンプを製作していくと、ようやく終わった感のほうが強い。目が疲れるし肩が凝るし、古傷の左肩が痛くなるしでロクなことがない。これでしばらくハンダ付け作業から離れることができる。まだあるけど、ハンダゴテを持つことは少なくなる。

 

12B4Aシングルアンプ・磨きなど

塗装が終わった12B4Aシングルアンプのシャーシと裏蓋の磨きをする。最初にホコリの付いているところをピンポイントで#2000のペーパーで削っておいた。

浴室でコンパウンドシートで水研ぎをする。削れてくると表面に付いた水滴に色がついてくる。シャーシや裏蓋に穴があっても引っかからないので磨きやすい。大体研げたかな、というところで止めにした。

次はコンパウンドの細目~極細で磨く。思ったとおりシルバーだと磨き傷が目立たない。光沢が出たところで終わりにする。

仕上げに液体コンパウンドで磨いた。最後にクルマ用のコーティング剤を塗って終了。

 

あんまり光沢が出ている感じは無い。でも電灯を写し込んでみるとわかる。大体1時間半で磨きは完了。

電源トランスのボルトが長すぎるので交換することにした。

黒のキャップボルトの長さ45mmのものに交換。シャーシにあてがってみて、案の定入らなかったのでナットを緩め、位置を修正したら入った。

キャップボルトはこんな感じ。経年で錆が出るようだが気にしないことにする。

出力トランスの使わない配線を処理する。むき出しの配線に熱収縮チューブを被せ、ライターの火で炙って収縮させる。末端をピンセットでつまんで閉じる。

使わない配線をトランスケースに押し込んで完了。

 

フロントの保護紙を作成。

 

12B4Aシングルアンプ・平ラグ作成

12B4Aシングルアンプの電源部は平ラグに組むので、先に作成しておくことにした。

電源部の平ラグパターン。

パーツを集めたところ。CRや半導体は事前にテスターで確認してある。

平ラグのスペーサーにFETを固定するので、10mmと7mmを使用する。FETの厚みは大体3mmあるので、これで基板が水平になる。

ジャンパー線はカットしたCRのリードを使う。ホッチキスの針のように整形。

作成に使う工具類。マスキングテープはカットしてパーツの仮固定に使用する。白手袋を使えばハンダ付け時にパーツを手で持っていても熱くない。

CR類は前もってリードを整形しておく。電解コンデンサはガニ股にして、差し込んだ時にストレスがかからないようにする。

FETはシャーシに固定して放熱させる。ゲートには発振防止用の1kΩ抵抗を取り付ける。

熱収縮チューブを被せ、ライターで炙って縮めたところ。

平ラグのハンダ付けには東栄変成器の小型トランスが入っていた紙箱を使っている。

ハンダ付けは全部のパーツのリードを差し込んでから行う。ダイオード電解コンデンサには極性があるので注意する。往々にして間違えることがよくある。CRのリードの片方を仮にハンダ付けすると動かなくなるので、傾きを直してもう一方をハンダ付けする。その後、仮にハンダ付けしたところをちゃんとハンダ付けする。

もし間違えた時はパーツを抜き取り、ハンダはSPPON(ハンダ吸い取り器)で吸った後、ハンダ吸い取り線で除去する。ハンダ吸い取り線だけを使うと一気に無くなってしまう。

 

配線を取り付ける際にはマスキングテープで仮固定する。

完成した電源部の平ラグ。

反対側から。

裏側。

シャーシの高さが40mmしかない場合、電解コンデンサの高さは25mmがギリギリといったところ。スペーサーに7mmを使用することで、すこし高さを稼ぐことができる。それ以上の高さのコンデンサは寝かせるしかない。

 

12B4Aシングルアンプ・シャーシと裏蓋の塗装

まったくもっていつもの金太郎飴的な記事だが、備忘録として残しておこうと思う。12B4Aシングルアンプの仮組みを解体し、シャーシと裏蓋の保護ビニールを剥がす。リューターに付けたペーパーコーンで溶接跡やバリを削る。

浴室で水をかけながら#400のペーパーで縦横斜めに傷を付ける。これは塗装の密着度を高めるためだが効果は定かでない。腕が疲れるので裏蓋はいいかげんになった。ガスレンジで乾かした後、カットしたカレンダー紙を塗装しないところに貼り付け、マスキングテープで止めたら塗装準備完了。

今回塗装に使うスプレー。左から下地にプラサフ、中央は本塗装にシルバーメタリック1F7、上地にクリアA-4。今回は無難にシルバーにしてみた。このほうが磨き傷が目立たないと思う。

スプレーは使う前に40℃くらいで湯煎する。スプレーを浸すと30℃くらいになる。

塗装はプラサフを2回、しばらく自然乾燥させた後、赤外線ストーブで1時間くらい乾かす。

塗装は外の駐車スペースで行うが、北風が強くてホコリが舞うので下地のみで断念した。時間はあるがどうしようもない。

翌日。予想どおり風が弱いが曇りの天気で寒い。本塗装のシルバーメタリックを2回塗った。シャーシやスプレーを温めて塗装している。15分くらい自然乾燥した後に1時間程度高温乾燥させる。これをひたすら繰り返す。本塗装の2回目で少々ホコリが付いたが、ペーパーをかけると下地が露出してしまうので妥協する。

後は上地のクリアを3回塗装した。3回というのは磨きをかけると角の下地が露出してしまうためで、要は磨きのやり方に問題がある。

 

でもコンパウンドシートを使うようになってからは上地を厚く塗る必要がなくなった。

最後にカレンダー紙を剥がして1時間、高温乾燥をやって終了とした。

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カーテンレールに吊るしてしばらく乾燥させる。

Mike Oldfield

むかし私が若かった頃、NHK-FMクロスオーバーイレブンをカセットテープに流し撮りして、これはと思った曲でベストカセットを作っていたんだね。

 

その流し撮りテープの中に曲名を知りたいものがあって、当時はFMレコパルやFMファンを買っていたのだけど、どういった経緯か忘れたが、調べることができなかった。雑誌を保存している職場の先輩のところへ行って調べたこともあったが、結局突き止めることができなかった。

20年くらい時は流れ、mixiでその曲をネットにアップロードすれば、版権を持っているところから警告が来るのではないかと考えた。それで曲名やアーティストがわかるのではないかと。それをたまたま聴いたミク友の人が、歌詞を聞き取って曲名を知らせてくれたんだね。とても嬉しかったのを覚えている。


それがMike OldfieldのPictures in the Darkという曲だった。

Mike OldfieldはMaggie Reillyという女性ミュージシャンとコラボしており、その透き通ったハイトーンな声音に魅了された。中でもTo France、North Point、Moonlight Shadowなどの曲が好きだ。


Mike Oldfield - To France (Official Video)


ところで、先日SpotifyでPictures in the Darkを聴こうと思ったのだが、なぜか見つからない。版権の何かが影響しているのではないか。数千万曲を聴けるのに、その中には無いんだね。North Pointも見つからない。YouTubeなら聴けるみたいだ。でもCDを持っているからiTunesに取り込んでみた。

 

 

12B4Aシングルアンプ・シャーシと裏蓋の加工~仮組み

またいつものごとく金太郎飴的な記事になってしまうが備忘録なのでご了承を。12B4Aシングルアンプのシャーシ加工を始めた。

シャーシは株式会社奥澤のO-27、W250mm×D150mm×H40mmでt1.0mmのアルミ。穴開け図を印刷してカット、シャーシに貼り付けて定規とカッターでケガキ線を入れる。十字の中央をオートポンチでマーキングする。

シャーシ加工は電源トランスの角穴から始めた。ステップドリルで丸穴を2つ開け、コッピングソーの刃を通して一周カットする。厚さ1mmなので刃の進みが早い。終わったら平ヤスリで端面を整えた。

次はACインレットの加工。丸穴を6個開けて穴をつなぎ、ヤスリで角Rにした。丸ヤスリで4隅を加工しておくと早い。

ロッカースイッチは丸穴を2個開け、ヤスリで長方形にした。13mm×19.2mmの予定が19.5mmになってしまった。スイッチを嵌めてみるとすこしガタガタする。塗装してもガタガタするようならボンドで固定しようと思う。

 

角穴が全部開いた。

 

サークルカッターで真空管のソケット穴を開けているところ。下穴は4mmなので簡単。サークルカッターはグリスアップすることを忘れずに。

他の穴開けをする前に裏蓋の加工を始めた。裏蓋は横山テクノにお願いしてW248mm×D146mmにカットしたものを購入した。なお厚みは1.0mm。

シャーシと裏蓋の固定穴8個を開けた。曲尺でできるだけ正確に測って開けたせいか、一発で開けられヤスリでの修正は不要だった。ドリル刃は1.5mm→2.5mm→3.2mmの順に穴を開けて広げた。

 

後は小さな丸穴だけなので、ドリルでボコボコ開けていった。全部の穴が開いたシャーシ。

反対側から見たところ。

裏蓋は放熱穴をステップドリルで開けた。

バリ取りをして掃除をしたら終了。

仮組みをしてパーツの干渉などがないか確認する。

 

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順調にパーツが付いたシャーシ内部。

 

平ラグのスペーサーを固定するネジとバナナ端子が接近しているので超低頭ネジにした。

 

真空管を挿していつもの「観球アンプ」。OPTが小型なのと、真空管を離して並べているせいでゆったり配置になっている。

 

まあ、大丈夫じゃね? 今後はシャーシと裏蓋の塗装をする予定。

オーダーギターが完成!

楽器店からオーダーギターが届いたと電話があり、受け取ってきた。それにしてもK.Yairiのギターのハードケース、5kgくらいはあるんじゃなかろうか。重くてかなわん。ギターの保管とか輸送の時くらいしか使えない。

オーダーシートは上記のようになっている。トップはスプルース単板、サイド&バックはマホガニー(ラミネート)、指板&ブリッジはエボニーでカタログモデルのRF-65RBと同じ。スケールは645mmを635mmに、ナット幅は42mmを44mmに変更した。

 

代金を支払ってから5ヶ月と1週間で完成した。6ヶ月~8ヶ月と言われていたから早かった。以前オーダーした時にはモデル名にLHが付いたが、今回のはRF-65 Customだった。これじゃレフティ仕様だとわからないではないか。まあ売却するつもりは全くないから、それでも構わない。

スケール635mm、ナット幅44mmとしたのでエクストラライトゲージを張ってテンションは緩く感じるし、同じくナット幅44mmのYF-00028LH Customとネックの感じは変わらない。

 

ただK.Yairiのネックは薄い三角形ぽいカマボコだから少々違いがある。

弾いてみると以前オーダーしたRF-65LH Customと見た目が一緒だし、弾きやすくなったのが違いとしてわかるくらいかな。

音量はジャカジャカ鳴ってかなり出ているように思う。もしかしたら以前オーダーしたのよりも最初から音量が大きいかもしれない。YF-00028LH Custom(オール単板)は音が遠くに飛ぶような印象があるが、RF-65 Customは周りに音が広がる感じ。自室で弾く専用のギターだからそれで構わない。音の浸透力はYF-00028LH Cutomの圧勝だ。

現物をつぶさに見てみたが、傷・打痕や塗装ムラなどは全くなかった。手作りで、しかも工程が非常に多いのにこれは凄い。私が真空管アンプを製作するのに、こんなに完全には出来ないよ。すみません、これから弾いていくうちに傷がつくと思います。でも楽器は飾っておくより弾かれたほうが楽器にとって幸せだよね。

24年くらい前に私がスペイン製のクラギを購入した際は、楽器としては良くても、細部には目を瞑らないといけなかった。だからそういうものだと思っていた。

これでアコギがようやく本格的に2本体制になった。レフティで自分好みのギターを追い求めると「ヤイラー」になってしまう。お金のある人はマーチンかギブソンレフティをどうぞ。

R120シングルアンプ・完成

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とある方から真空管アンプの製作依頼があったのは昨年の11月だった。それはR120とC3eを使ったシングルアンプだ。

R120は傍熱3極管でヒーターは6.3V1.45A、最高プレート電圧300V、最大プレート損失15W。プレート電圧250V、プレート電流60mA、OPTのインピーダンス2.5kΩでの出力は3.5Wとなっている。2A3クラスの3極管だが、バイアスは-35Vと2A3に比べてドライブしやすい。

C3eは電圧増幅5極管で、ヒーターは18V0.24A、最高プレート電圧500V、最高スクリーングリッド電圧も500V、最大プレート損失は4Wとなっている。管の表面が導電体でコーティングされ、1ピンに接続されている。

整流管はAZ50で、フィラメント4V3A、最高プレート電圧500Vで、その時の最大電流は200mAとなっている。

同じく支給されたOPTは出力容量15W、1次インピーダンス3kΩ、1次重畳最大DC電流110mA、重量は2.4kgとなっている。デカくて重い。

AZ50が4V、C3eが18Vということで、電源トランスを西崎電機に特注することにした。サイズ W100mm×D82mm×H71mm(シャーシ上)、ビス間 81mm×66mm (M4)、重量は2.5kg。

 

回路はC3eの5極管接続でR120をA1級でドライブする2段アンプとした。特段変わったところはないが、クロストーク対策のため+B電源をLchとRchで別々のCRフィルタを入れている。

OPTを評価したところ、高域が伸びていないため依頼者に試作機を送って聴いて頂くことにした。結果はOKとのことだったので、本番機を製作した。試作機と本番機で回路のCRディメンジョンは変更していない。

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シャーシのレイアウト図を上記に示す。シャーシは株式会社奥澤のO-43で、W400mm×D230mm×H55mm、厚さは2mmのアルミ。私が製作する真空管アンプでは最大級となる。真空管を前に一列で並べたのは、真空管が目立つレイアウトにしたかったから。

 

シャーシと裏蓋は自分で加工しマットの黒で塗装した。

諸特性を上記に示す。出力は1kHzで2.8W~3.1Wで設計どおり。軽く3dBのNFBをかけて利得は10.5倍~11倍。残留ノイズは0.2mV~0.3mVと低い。

Analog Discoveryによる周波数特性。低域が非常に伸びている反面、高域の低下が早い。

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-60dB以下となっている。

Lchの歪率特性。10kHzの曲線が他の周波数と重ならないのは、高域の低下が早いためと思われる。

Rchの歪率特性。

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SP端子にコンデンサを接続、ダミーロードをオンオフしてみるが発振には至らなかった。

 

使用機材
オシレータ TEXIO AG-205
ミリボルトメータ LEADER LMV-181B
デジタルオシロスコープ IWATSU DS-5105B
オーディオアナライザ Panasonic VP-7721A
ANALOG DISCOVERY 2
PC Lenovo ThinkPad E14 OS Windows11 Home 23H2

それでは、いつものようにブツ撮りをしたので掲載する。RchのC3eはLchと同形状のものを挿してある。

 

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シャーシ内部。試作機からOPTの配線を短く処理したのでスッキリした。シャーシが大きいのに比較してCR類が小さいのでガランとしている。

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駄耳の私による試聴結果。女性ボーカルが美しい。低音が雄大でスケール感がある。これ以上は依頼者に聴いて頂く予定。

R120シングルアンプ・動作確認~特性測定

配線とCR取り付けが終わったR120シングルアンプ本番機の配線チェックを行う。問題なさそうなので真空管を挿して電源投入、R120のカソード電圧と+B電圧を交互に測定する。大丈夫のようだ。素早く各部の電圧を測定。

ボリューム最大、SP端子にDMMをACレンジにして接続、RCA端子に指を触れて電圧が上昇するのを確認。今回も動作一発OKだ。

各部の電圧を測定。ほぼ設計通り。

簡単に特性を測定。試作機とほぼ同等。

試作機と同じ3dB程度NFBをかけることにした。NFB抵抗は2kΩとした。

再び諸特性を測定。低域が非常に伸びている反面、高域の低下が早いのはOPTの特性による。NFB量は3.0~3.1dB、出力は1kHzの歪率5%で2.8W~3.1W、ダンピングファクタは2.6~2.7となった。残留ノイズは0.2~0.3mVと低い。

Analog DiscoveryによるLchの周波数特性。

Rchの周波数特性。

クロストーク特性。20Hz~20kHzでは-60dB以下となった。線が重ならないのは残留ノイズに差があるため。

Lchの歪率特性。10kHzが他の周波数の曲線と重ならないのは、出力の低下により入力レベルを上げて測っているためと思われる。

Rchの歪率特性。Lchと同様だった。

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(10kHz方形波、ダミーロード8Ωでの出力2Vp-p、100mV/div(プローブ10:1)、20μS/div、負荷オープンでは500mV/div)

 

SP端子に0.047μF~0.47μFのコンデンサをつないで方形波観測し、ダミーロードをオンオフする。高域が早く落ちているのでサイン波みたいな波形だ。ダミーロードがオンの状態では波形に殆ど変化が見られない。ダミーロードがオフの状態でコンデンサをつないでも発振しないことを確認。

 

3階自室で試聴。じつは利得の低いC3eに追加で2本支給頂いたので、利得の近いC3eに差し替えた。ただもう1本は出力が出ず、コツコツ叩くと回復するものだったので使用できなかった。

エアコンを止めちゃうと本当に無音。静けさの表現というか、曲が浮かび上がってくる。女性ボーカルが美しい。低音が雄大でスケール感がある。駄耳の私なので、完成後に依頼者に聴いて頂く予定。

 

R120シングルアンプ・組み立て~配線

R120シングルアンプ本番機の組み立てを始めた。まず外装パーツを軽いものから取り付けていく。取り付け終わったらトランスをビス止めする。OPT2個、チョークコイルの順に取り付けた。次はブロック電解コンデンサ。2個目がビスまで指が届かず苦労したが、なんとか取り付けた。最後に電源トランスを取り付けた。

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外装パーツを取り付け終わったところ。どうやら塗装に傷を付けずにできたようだ。シャーシのフロント部には厚紙をカットして貼り付けてある。

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反対側から見たところ。

翌日、AC1次配線(白)からスタート。ここで電源投入し、ネオンランプが点灯すること、電源トランスの電圧を確認。

次はヒーター(フィラメント)配線だ。配線はAWG22を使ったが、容量的には問題ないが電圧降下を考慮したらAWG20のほうが良いかもしれない。C3eはパラで0.4AなのでAWG24にした。

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ヒーター(フィラメント)配線が終わったところ。配線は撚っているので収まりが悪い。後でインシュロックタイで束線する。

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真空管を挿して点灯式。AZ50は4.1V、R120は6.2V、C3eは19.8Vだった。問題なし。

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次は+B電源回路の配線とCRの取り付けをする。+Bにそれぞれ5kΩのダミーロードを接続し、電源回路のテスト。AC100V換算での+Bは280Vだった。設計は276Vだから少し高めだが問題なし。

 

翌日。配線の続きをする。GNDは、シャーシアースしていたC3eのソケット固定ネジのところが塗装のために導通しない。GND母線をずらしてR120のソケットのところでシャーシアースするように変更した。その他の配線をちまちま進める。

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これで入力のシールド線を除く殆どの配線が終わったかな?

次はCRを取り付けていく。試作機でリードのフォーミングが出来ていて、かつリードの予備ハンダが出来ているので、取り付けてハンダ付けするだけだから早い。最後に入力のシールド線を作成して取り付ける。

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全部の配線とCRの取り付けが終わったシャーシ内部。とぐろを巻いていたOPTの配線を短くしたのでOPT下がガランとしている。動いてしまう配線はボンドで数カ所固定した。シャーシに比べてCRが小さく見えるが、これで全部。NFB抵抗は動作確認後に取り付ける。

この後は配線チェック後に動作確認をする予定。

 

VT-25シングルアンプ・カソードフォロア電源

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先日回路設計したVT-25シングルアンプは、カソードフォロアの電源を左右チャンネルで共用している。これはクロストークで問題にならないか?

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拙300Bシングルアンプはカソードフォロアの電源を左右チャンネルで分けているが、ショートさせたらクロストーク特性がどうなるのか実験してみた。同じ電圧ならショートしても問題ないよね?

これは300Bシングルアンプのオリジナルのクロストーク特性。

左右チャンネルの+B1同士、-C同士をショートさせて測定したクロストーク特性。

回路的にはコンデンサインピーダンスが上昇する低域でクロストークが悪化するはず。結果は20Hzでオリジナルが-70dB、ショートで-68dBと2dB程度の差しかなかった。たった2dBのために回路を左右チャンネルで分けるのは過剰といえるかもしれない。

というわけで、VT-25シングルアンプでは+B1と-Cを左右共通にして分けないことにする。もしこの回路で低域クロストークが悪化することが起きたら、分離することを考えよう。

R120シングルアンプ・裏蓋の加工と塗装

全くもって金太郎飴的な記事だが、別々の作業になってしまったので仕方ない。

裏蓋用のカットされたアルミ板が横山テクノから届いた。サイズはW398mm×D226mmで、シャーシよりは小さくしている。厚さは1.5mmでA5052のアルミ。

穴開け図を印刷してアルミ板に貼り付け、定規とカッターでケガキ線を入れる。オートポンチでマーキング。シャーシとの固定穴を曲尺で正確に測った。

最初は1.5mm、次に2.5mmのドリルで開けたのだが、シャーシにあてがってみると1mmくらいズレている。たぶんシャーシが加工中に歪んだのだろう。裏蓋は丸ヤスリで修正した後に3.5mmのドリルで広げた。修正は厚さが1.5mmあるので大変だった。

ネジで裏蓋がシャーシに固定できることを確認。

後は丸穴をステップドリルでボコボコ開けていった。切削屑がたくさん出るので嫌。

ここから塗装工程に入る。保護ビニールを剥がし、浴室で#400のペーパーで縦横斜めに水研ぎする。塗装しない側にカットしたカレンダー紙を貼り付けて塗装準備完了。

塗装にはプラサフと、マットの黒のスプレーを使用する。

塗装前にスプレーを40℃くらいのお湯で温めておく。

塗装は外の駐車スペースに新聞紙を敷き、プラサフを2回、本塗装にマットの黒を2回スプレーした。

1回塗装するごとに赤外線ストーブで1時間くらい高温乾燥させる。

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カレンダー紙を剥がして塗装が完了した裏蓋。

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今回は塗装回数が増えなかったので良かった。

R120シングルアンプ・仮組み~塗装

R120シングルアンプ本番機の進捗。穴開けが終わったシャーシにパーツを仮組みして問題がないかどうか確認する。

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整流管AZ50の袴下部とソケットの固定ネジの頭が干渉したので、皿ネジを使うことにする。シャーシは皿グリした。

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反対側から見たところ。

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シャーシ内部。問題なし。

発注した裏蓋用のアルミ板がまだ届かないので、シャーシ本体を先に塗装することにした。裏蓋は完成前に出来ていれば良いし。

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仮組みを解体してシャーシの保護ビニールを剥がし、ペーパーコーンを付けたリューターでバリや溶接跡を削る。

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浴室で#400のペーパーで水研ぎをする。縦横斜めに傷を付けた。塗装しないところにカットしたカレンダー紙を貼り付けて塗装準備完了。

塗装に使うスプレー。下地はプラサフ。今回はマットの黒で塗装することにした。

塗装する前に40℃くらいのお湯に漬けてスプレーを温めておく。

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駐車スペースに新聞紙を敷き、プラサフを塗布したところ。新聞紙にくっつかないようヨーグルトの容器を置いて浮かせている。

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本塗装のマットの黒を塗布したところ。

塗装は自然乾燥を15分くらい、赤外線ストーブで1時間くらい高温乾燥させる。1回の塗装ごとに行う。


塗装はプラサフを2回、本塗装を2.5回とした。0.5回はシャーシ上面のゴミをペーパーで削ったために増えた塗装の分。

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カレンダー紙を剥がして塗装が終わったシャーシ。

同時進行でチョークコイルを塗装する。剥離液で塗装を剥がすと銘板の塗装まで剥がれてしまうので、ペーパーで塗装が剥がれたところだけを削った。塗装しないところにマスキングテープを貼る。

 

塗装が終わったチョークコイル

 

裏蓋用のアルミ板の発送連絡があったので、後日穴開けをして塗装する予定。

 

RCAの42を入手

RCAの42を2本入手した。42シングルアンプで鳴らすのに、日本製のタマだとノイズが出たり、こき使われてお疲れだったりして元気でしっかり使えるものがなかなか手に入らない。42は古典管だから、日本製のタマだとどうしても信頼性的に不安のあるものが多いのではないか。だったらアメリカ製のタマを入手すれば不安なく使えるかもしれないと思っていた。

今回入手したのはNOS品だと思われる。

五角形のマイカが特徴かな。

ただ差し替えて使えるかどうかの確認だけでは意味がないと思い、電圧と簡単に諸特性を測定した。

回路図に電圧を赤字で記入。AC100Vが高いため、各部の電圧も高め。42のカソード電圧を77Vに調整したが、電源電圧の変動で変わる。

諸特性。歪率5%での出力は1kHzで2.5W~2.7Wだった。出力や利得は日本製の42と差異なし。

試聴結果は問題なし。鮮度の良い音という印象。解像度が良くて繊細だ。日本製の42と特に違いは見受けられない。

R120シングルアンプ・シャーシ加工

R120シングルアンプ本番機のシャーシ加工を始めた。シャーシは株式会社奥澤のO-43、W400mm×D230mm×H55mmのアルミでt2.0mmのもの。

いつもどおり穴開け図を印刷してシャーシに貼り付け、定規とカッターでケガキ線を入れる。十字の中央をオートポンチでマーキング。これで穴開け準備完了。

穴開けは電源トランスの角穴から始めた。ステップドリルで丸穴を開けるのだが、いくら回してもドリルが入っていかない。このアルミってそんなに硬いのか?

チェックしてみると、ドリルの回転方向が逆になっていた。ドリルをセットする際にボタンを押してしまったらしい。なんてこった。幸先の悪いスタートだ。回転方向を元に戻して穴開けできることを確認。

ステップドリルで2個のつながった丸穴を開けてコッピングソーの刃を通し、ギコギコくり抜いた。2mmのアルミだから刃の進みが遅い。1cm進むごとに切削液をつけながら休み休みやった。1周くり抜いたら平ヤスリで仕上げ。

これだけで1時間もかかった。

 

コッピングソーは、力は要らないが刃の進みが遅いので、刃を往復させる回数が半端ない。30分もやれば穴が開くものの、腕とか背中の疲れ具合が酷い。騒音はシャーシ裏に消しゴムをガムテープで貼り付けると軽減できる。ただ騒音が出るのは仕方ないかな。

次はACインレットの角穴を開ける。ステップドリルで丸穴を6個開け、ヤスリでつないで4辺を開ける寸法まで削る。角は丸ヤスリでR仕様とした。ついでにヒューズホルダーの穴を開けた。ステップドリルで13mm径の穴を開けた後、半丸ヤスリで一周削ってやると入る。廻り止めの加工もやった。

バリ取りが済んだACインレットとヒューズホルダーの穴。

翌日。サークルカッターで真空管ソケットとブロック電解コンデンサの穴の計7個を開ける。大体1個の穴開けが10分くらい。コツは刃のあるほうを持ち上げ気味に回すこと、切削音が大きくなったら切削液を追加すること。もし食い込んで動かなくなった場合は刃を上下するツマミを回して刃を一旦上げ、また下ろしていく。無理に回そうとすると刃を折ってしまう。グリスアップを忘れないこと。私は作業前後にグリスアップしている。

サークルカッターで穴開け中。

後は小さな丸穴だけなのでひたすらボコボコ開けていく。私の場合、ドリルの1.5mmで開けてから、3.2mm、4.5mm、6mmと広げていった。3.2mmで開けて、穴がずれていたら丸ヤスリで修正する。

電源トランスのボルト穴はちゃんと測っているのになぜか合わない。4.8mmまで広げても合わないので、1個の穴だけ丸ヤスリで修正した。

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全部の穴開けが終わり、バリ取りが完了したシャーシ。

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反対側から見たところ。

たぶん大丈夫とは思うが、パーツを仮付けして穴のズレがないかどうかを確認する予定。